専門家「金融引き締めは来年後半の可能性高い」植田総裁発言に注目も大規模緩和は維持(2023年9月22日)

Appleの新型スマートフォン『iPhone15』が22日、発売されました。最も安い機種で12万5000円ほど。この3年で3万円も高くなっています。アメリカドルでは、価格据え置きですが、円安のせいです。

日本の通貨・円。物価水準などをもとに算出した実質実効為替レートは、先月、過去最低となりました。1970年を下回る水準です。当時は、1ドル=360円の固定相場制。あのころよりも、円の価値が、いま、下がっているのです。

22日の東京外国為替市場の円相場は、一時、1ドル148円台半ばにまで下落しました。円安に振れたのは、日銀の金融政策決定会合での判断。全会一致で、金融緩和策の現状維持を決めました。
日本銀行・植田和男総裁:「賃金上昇を伴なう2%のインフレ、持続的安定的なインフレが見通せる状況にはなっていないので、現行の枠組みのもとで、粘り強く金融緩和を続けています」

今の円安の一因となっているマイナス金利政策。植田総裁は、今月、新聞のインタビューで、マイナス金利の解除も選択肢とし、年内に判断材料が出そろう可能性を示唆していました。
日本銀行・植田和男総裁:「(Q.マイナス金利解除の距離感は、物価上振れ中でも変化はない)そこの距離感が、すごく動いたから、ああいうふうに申し上げたのではなく、現時点では、経済・物価をめぐる不確実性は極めて高く、政策修正の時期や具体的な対応について、到底、決め打ちはできないと指摘しました」

植田総裁の発言次第では、為替相場が大きく動くのではとの観測もありましたが、小幅の円安にとどまりました。

外為どっとコム総研・神田卓也調査部長:「マイナス金利解除が年内にはっきりするのではとの報道があった。ただ、それを明確に否定しなかったし、明確に肯定もしなかった。どちら側にも見通しに確信が持てないこともあると思うが、無用にマーケットを大きく変動させたくない思惑があったのでは」

※大規模な金融緩和策は、いつまで続くのでしょうか。

野村総研エグゼクティブ・エコノミストの木内登英さんは「年内の引き締めの可能性は低い」としています。
その理由は、日銀の植田総裁は、会見で『粘り強く金融緩和を継続していく』と発言したこと。そもそも日銀は、賃上げを伴う形での物価上昇を目指しているなかで、会見で来年の春闘の結果を重視する姿勢を示したことだとしています。

そのうえで、木内さんは「来年3月回答の春闘の賃上げが期待された水準に達しないことで、金融緩和が長期化する。急に政策を変えると、金融市場は混乱するため、時間をかけ修正していく必要があり、金融引き締めは“来年後半”となる可能性が高いのでは」と分析しています。

円安は止まらないのでしょうか。
木内さんは「日銀は、国内の物価安定が目標のため、円安を止めるための引き締めはしない。ただ、22日の会見では『政府と緊密な連携を取りながら注視していく』と円安を警戒する発言をするなど、黒田前総裁のように円安を容認する姿勢とは違う。政府とともに150円を防衛ラインとして置いているのでは」と話します。
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