「涙止まらない」TDR40周年で3年ぶり“ダンサー復活”も…コロナで変わった“常識”(2023年4月10日)

15日に40周年を迎える東京ディズニーリゾートで、10日に記念パレードの報道公開が行われました。「色鮮やかなハーモニーの世界へ」をテーマに、5年ぶりに生まれ変わったパレード。そのパレードルートに、ダンサーが戻ってきました。

塔の上で、新しい世界を夢見るラプンツェルや、死者の国に迷い込む『リメンバー・ミー』のミゲルなど、カラフルな登場人物もさることながら、12台のフロートのまわりを、華やかに彩るダンサーたちは、一段と“コロナ禍の終わり”を感じさせます。

2020年6月、約4カ月の休園期間を経て実現した、距離をとって見るパレード。キャラクターのみのフロート1台の質素なものでした。それでも少しずつ、一歩ずつ、元に戻してきました。

迎えた晴天の10日。パレードルートには、ダンサー、そしてお客さんの笑顔があふれていました。すぐ目の前まで来て一緒に楽しめる空気は、コロナ禍になってから遠ざかっていた世界です。

パレードを見たゲスト:「涙止まらないです」「楽しかった。色んなキャラクターが出てきて、ダンサーもいっぱい出てきて、すごく身近に感じて、私たちも一体感として楽しめている感じがした」

一体感すら感じづらかったコロナ禍。そんな時を経て、パークでの過ごし方にも変化が生まれていました。入園チケットの販売もオンラインのみ。アトラクション、ショップなどの整理券をスマホで持つことは、今やパークの過ごし方の常識になりました。

曜日によって値段が変わる変動価格制を導入し、土日に人が集中しないようにしました。また、人数制限も続ける方針です。2024年度の入場者数の目標は2600万人で、コロナ前に比べると、年間で約650万人少ないという状況です。

ゲスト:「最初は分からないことでいっぱいだったが、慣れてからはスムーズに予定が組めるようになった。赤ちゃん連れだと、ご飯の時間も予定が組まれているのでうまくいく」「選択肢が増えたので良かった。お土産もアプリで買えるので、その分パークをたくさん楽しめる」

【“入園数制限”で体験価値↑↑↑】

ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランド。経営方針の最大のポイントが「入園者数の上限を下げる」ことです。新型コロナ流行前よりも、一日にパークに入れる人数を制限することは、一見、マイナスにも見えますが、なぜ続けるのでしょうか。

オリエンタルランドによりますと「ゲスト、いわゆるお客さんの体験価値の向上」につながるからだとしています。入園者数に制限を設けることで待ち時間が減少、ゲストの体験価値が上がるということです。

経営学が専門の早稲田大学ビジネススクール・入山章栄教授はこう話します。

入山教授:「コロナ前の東京ディズニーリゾートは、客が多すぎて、客の体験価値が下がることが課題だった。ただ、コロナを経たことで、本当の意味での客への価値を見直すことになったのでは」

さらに、入山教授は“感情”がサービス業の今後のポイントになると指摘しています。

入山教授:「ロボットやAIで、単純な肉体労働や事務作業がカバーされる。そのなかで人間ができるのは“共感”や“感動”を生むこと」

まさに、ディズニーリゾートは“感情的に盛り上げる”という価値を高めていますが、これは大企業にしかできないわけではないといいます。

入山教授:「デジタルを取り入れ、従業員を楽にしてあげることで、従業員は客に対して“共感”や“感動”のサービスに集中できる。そうすることで、客の満足度が上がる」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp