【報ステ】“女性に選択肢を”『卵子凍結』とは?東京都が助成開始へ【密着取材】(2023年9月29日)

妊娠や子育てをサポートする支援策として、東京都の小池知事が「卵子凍結への助成」をスタートさせると発表しました。この卵子凍結を選ぶ女性は増えていますが、いったいどういうものなのか、ある女性に密着しました。

銀座の産婦人科『オーク銀座レディースクリニック』を訪れた甲斐秋帆さん(28)。卵子を凍結しにきました。

船曳美也子医師:「1つの袋に1つの卵子が入っていますので、袋の数を数えたら、卵子の数が推定されます」

甲斐さん:「(卵子の)数はあまりないですか?」

船曳医師:「今で推定5個くらい育ってきている」

卵子凍結とは、将来の妊娠に備えて、卵子を取り出し、凍結保存すること。子どもを授かりたいタイミングで体外受精して、体に戻すという仕組みです。元々は病気が原因で今すぐ妊娠ができないという女性のためでしたが、今、仕事などの理由で若いうちに卵子を保存して、将来の妊娠を考える人が増えているといいます。

大手証券会社を退職し、起業した甲斐さんもその一人です。

甲斐さん:「自分で会社を起こすと、当然2~3年は全力で仕事にしか打ち込まないという覚悟でやっている。大学院を卒業した24歳ぐらいから、自分のこの先のキャリアをどうしたらいいのか、すごく悩んでいて」

そんな葛藤を抱えて生きてきた甲斐さんが選んだのが、卵子凍結。甲斐さんは、手術する2週間前から、より多くの卵子の成長を促すため、自分で毎日、排卵誘発剤を注射し、準備してきました。そしてついに、卵子を取り出す日。全身麻酔で眠ると…。

船曳医師:「今は卵胞に針が入っています。卵胞液を吸い出しています」

卵子が入っているのは卵胞と呼ばれる部分。そこに針を刺して吸い出した、この透明な液体の中に、卵子が入っているといいます。10分ほどで手術は終了。卵子の大きさは、わずか0.1ミリ。慎重に卵子を取り出し、液体窒素に入れて凍結することで、半永久的に保存されます。

高野智枝胚培養士:「本日の採卵数は推定7個になります」

甲斐さん:「(無事に)取れたので、良かったと思います」

甲斐さんにとって希望である卵子凍結。一方で課題もあります。解凍して、いざ出産をしようとしても、成功率は高くありません。さらに、日本産科婦人科学会は、採卵と高齢妊娠に関する健康上のリスクがあることなど、警鐘を鳴らしています。しかし、甲斐さんはリスクを承知のうえで、この選択をしたといいます。

甲斐さん:「『何歳までに結婚しなければいけない』とか『何歳までに1人目を出産しなければいけない』、そういう概念にとらわれて(妊娠を)急ぐ方が、女性の精神衛生上、良くないのではないかと思っています」

甲斐さんの場合、初期費用や年間の保存料などで、100万円近くかかるなど、費用面が大きな課題の一つとなっています。

こうしたなか、東京都は上限20万円で、次年度以降、2万円/年(最大5年間)の最大30万円の助成制度を開始します。

小池都知事は「人生の選択を、色々な形でできるように、後押しをしていきたい」と話しています。
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