袴田さんの姉「しょうがない 裁判で勝っていくしかない」袴田事件 検察が有罪立証へ(2023年7月10日)

ANNニュース速報

1966年、静岡県で一家4人が殺害された事件で、今年3月、再審=やり直しの裁判が正式に決まった袴田巌さん(87)。検察は10日、有罪を主張して一から争う方針を示しました。
静岡地検:「検察として承服しがたい部分があった」

袴田巌さんの姉・ひで子さん(90):「検察庁だから、とんでもないことをするだろうと思っていました。しょうがない、裁判で最終的に勝っていくしかないんですよ」

この事件で死刑が確定した袴田さん。再審を勝ち取るまでには、57年にわたる長い道のりがありました。

袴田さんは、裁判で無罪を主張しますが、死刑が確定。闘い続け、静岡地裁で再審開始決定を受けて釈放されたのは、逮捕から48年後のことでした。これだけでは終わらず、再審開始が、一度取り消されるなどの経過をたどり、さらに9年の月日を要しました。

再審開始の決め手となったのは、袴田さんが犯行時に着ていたとされる5点の衣類の新たな鑑定結果です。

弁護側は、事件から1年以上経って、現場近くの工場のみそタンクから見つかった衣類の血痕に“赤みは残らない”と主張しました。東京高裁は、これを認め、捜査機関によるねつ造の可能性が極めて高いとも指摘しました。

しかし、検察側は10日、「衣類の血痕に赤みが残ることは不自然ではない」「そもそも、ねつ造を示す証拠はない」としました。

再審は、開始が確定した時点で、無罪がほぼ確実とされていますが、検察側はなぜ有罪立証にこだわるのでしょうか。
検察当局の幹部:「有罪判決は難しくても、筋として、証拠の事実認定がおかしいと主張すべき。ねつ造というところまで踏み込んできたのは行き過ぎだ」

袴田さんは87歳、ひで子さんは90歳です。裁判が長引く見通しとなり、一刻も早い無罪判決を求めていた弁護側は、怒りをあらわにしています。
間光洋弁護士:「完全な蒸し返しです」
弁護団事務局長・小川秀世弁護士:「世間の人もみんな袴田さんが無実とわかっている。にもかかわらず長期化しようとしているのは、検察は人の人生をなんて思っているのか。本当に腹立たしい」

それでもひで子さんは、前を見据えます。
袴田巌さんの姉・ひで子さん(90):「(Q.無罪判決まで少し遠くなったが)57年闘っているから、2、3年長くてもどうってことない。頑張っていきます」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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