【報ステ全文】なぜ自民党は“嫌われた”のか…総裁選5候補に聞く“党再生の道”【報道ステーション】(2025年9月23日)

政治

自民党総裁の椅子を目指す5人のレースがスタートしました。選挙で相次いで敗れ、石破総理大臣が退陣に追い込まれるなか、崖っぷちとも言える自民党が踏みとどまるためには何が必要なのか。5人の候補者に集まっていただき議論を進めていきます。

■なぜ自民党は“嫌われた”のか

《大越健介キャスター》
石破さんが1年で退陣ということになりました。逆に言うと、自民党はせっかく選んだ石破さんという総理の人材を1年で消費してしまったと言えるのかもしれません。

この自民党の連敗の原因というものを、石破さんだけのせいにしてはいけないんではないかというふうに思います。もっと根深い何かがあるのではないかということで、せっかく呼んでおいて、失敬千万な質問だなと思われるかもしれませんけれども、最初に伺いたいのはこちらです。

「自民党はなぜ有権者に嫌われたのか」

この質問をさせていただきます。届出順に発言をしていただきます。小林鷹之さんからお答え願います。

《元経済安保担当大臣 小林鷹之氏》
衆院選、参院選、続いて大敗しました。その原因としては、私は国民、有権者の皆さんの気持ちに自民党が応えることができなかったということに尽きると思ってます。もう少し分けて言うと、スピード感がなかった、発信力が足りなかった、そして時として政策がぶれてしまったということだと思っています。

スピードで言えば、例えばガソリンの暫定税率を廃止、与党としてやるということは決めていたけれども、通常の税制改正の年末のプロセスでやろうとしていたけれども、やはり国民の皆さん、もっと早くやってほしいということがあったと思います。

発信力については、他の新興政党の比較的若い党首の方が、政策の賛否は私いろいろあるんですけれども、分かりやすい言葉で熱量を込めて突き刺さるようなメッセージの発し方があったと思います。

ぶれるというところで言うと、やはり給付。最初「やらない」と言っていて「やる」というふうに言ったことや、高額療養費制度の見直しの話を含めて、そこは残念ながら二転三転してしまったというところで、そういう中で国民の信頼を得られなかったのではないかと。それが私の受け止めです。

《大越健介キャスター》
次に茂木敏充さん、同じ質問です。

《前幹事長 茂木敏充氏》
嫌われたというんだったら、ある意味、非常になんていうか、対応が分かるんでいいんですけど、静かに離れてしまったという感じが私はあるんじゃないかなと思ってまして、そのための対策のほうがかえって難しいんじゃないかなと、こんなふうに今考えているところであります。

それは一言で言いますと、今、物価高でみんな苦しんでる。こういう国民の生活の苦しさ、こういったことにしっかり目を向けてないんじゃないかと。こういう国民の思いに寄り添うことができずに的確な対策、思い切った結果を出すことができなかった。そういったことに尽きるんだと思います。
それを変えていかなくちゃいけない。発信力も含めてです。

《大越健介キャスター》
なぜ自民党は有権者から嫌われたのか。いや、静かに離れていったんだという答えもありました。林芳正さん。

《官房長官 林芳正氏》
私も今の茂木さんの言葉は刺さりました。
嫌いと好きっていうのは動くという心理学者の話がありましたけど、無関心、静かに無くなる方がよりちょっと怖いなという気がしました。

やはり原因はいろいろあると思いますけど、やっぱり一番大きいのは分かってもらえてない、通じてないということをよく聞きます。

我々いろいろ聞く努力もして、やってきたつもりですけれども、本音の部分で分かってもらってないなということ。ここが静かに離れていくと。
すごいひどいことをされたんなら、嫌うという言葉が合うんですけれども、そうじゃなくて分かってくれてないなと。もうこの人たち無理だなみたいな、そういう感覚で静かに離れていくと。

だからやっぱりもう少し聞く力を増やして、分かってるよと正確につかむ。それもリアルタイムで。こういう事をやっていく必要があるのかなと思ってます。

《大越健介キャスター》
率直なご意見がありましたが、高市早苗さんお願いします。

《前経済安保担当大臣 高市早苗氏》
私は去年の衆議院選挙、今年の参議院選挙、それまでの間、全国遊説を続けてきました。

直接聞いた声です。直接聞いた声で申し上げますと、1つはもうこれだけ生活が苦しいとか、中小企業が大変というのを本当に自民党は分かってるんかという声。それからもう1つは、自民党が何をやりたい党なのかよう分からんようなってきたという声。3つ目が一番ショックやったんですが、自民党の政策には夢がないって言われたんです。

やっぱり、自民党立党の精神というのは、「政治は国民のもの」で始まります。70年も前のものですけれども、自民党っていうのは常に進歩を求める保守政党であるというこの立ち位置、原点があったわけですよ。自民党がどういう政党かわからんと言われたら、その辺の背骨の部分が皆さんに見えなくなった。

静かに離れていったというよりは、私は急激に離れたと。そして「自民党だけは要らんわ」という声までかけられました。

《大越健介キャスター》
小泉進次郎さん、同じ質問です。

《農水大臣 小泉進次郎氏》
嫌われたのかということでいうと、私はすごく思い返すのは、初当選をした2009年ですね。民主党政権が生まれた時は、街頭に立っていても自民党への嫌悪感は今よりもはっきりしてたと思いますね。
一回自民党以外の政権を見たい。あの鳩山さんのマニフェストが本当に飛ぶように街頭で、野党の当時民主党の方の手元からはけていった。そして自民党は一回退けと。

今回はさまざまな国民の皆さんの不安が、いろんな形で離れていった。そしてもう自民党からは呆れられてしまった。
だから私は一番今思ってることは、我々が十分に向き合えてこなかった不安にしっかりと向き合うことから始めなければいけない。

物価高で苦しいという不安。そして外国人の方が増えて、治安は大丈夫なんだろうかという不安…

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