ウクライナの停戦交渉に向けた話し合いがサウジアラビアで行われました。アメリカからは3人、ロシアからは2人が出席。この協議が米ロの首脳会談につながると両国は期待を見せています。
一方で、前日にパリで行われたのがヨーロッパ首脳による緊急会合です。“欧州外し”の形で行われた話し合いの行方は…。
■“対話再開”も 欧州を除外
サウジアラビアの仲介で始まった高官協議。アメリカとロシアの外交・安保の高官が顔を合わせるのは3年ぶりです。ウシャコフ補佐官が「ビジネスライクにやる」としていた会談は4時間以上に及びました。
ロシア側が求めている「ウクライナのNATO加盟凍結」「ウクライナ軍の併合地域からの撤退」は停戦交渉開始の条件に過ぎません。それでもフェーズは軍事から政治に移ってきているようです。
■欧州各国 異なるスタンス
アメリカはすでにヨーロッパ抜きで停戦交渉を進めることを公言しています。本来は結束を強めなければいけないのですが…。
ドイツ ショルツ首相
「今この議論をするのは完全に時期尚早。間違ったタイミングです。このような議論には少しいら立ちさえ覚えます」
不快感を隠そうとしません。
ドイツ ショルツ首相
「まだ行われていない和平交渉の結果について、ウクライナを無視してあらゆる議論がされています。平和維持軍をはじめとして様々が議論されています。我々はまだ平和な状態ではなく、ロシアが繰り広げている残忍な戦争の真っただ中なのです」
関係各国で今、意見が割れているもの。停戦後、平和維持部隊として自国の兵をウクライナに送るか否かです。ウクライナへの派兵は、ロシア軍と直接戦闘になるリスクを背負うことに他なりません。地政学、国内の政治状況など、それぞれの置かれている立場で思惑は大きく変わります。
ポーランド トゥスク首相
「ポーランドはすでにGDPの5%を防衛費にあてている」
スウェーデン クリステション首相
「欧州各国は可能な限り足並みをそろえるべきです。断固ウクライナを支持しており、当然派兵の可能性はあります」
アメリカは先週、ヨーロッパ各国に文書を送っていました。このような質問が書かれていたといいます。
アメリカ政府が欧州各国に送った文書(ロイター)
「ウクライナに軍を派遣する意思があるか。必要なアメリカの支援はあるか」
そもそも、まだ停戦していませんが、もし派兵となれば10万~20万人規模が必要になると言われています。全てはアメリカ次第です。
イギリス スターマー首相
「永続的な和平合意を条件にイギリス軍派遣を検討する用意があります。ただし、アメリカの後ろ盾は必須です。ロシアの再攻撃を効果的に抑止するには、アメリカによる安全の担保が唯一の方法です」
デンマーク フレデリクセン首相
(Q.平和維持部隊の派遣に賛成か)
「まだ早いです。重要なのはアメリカが平和維持部隊をどう見るかです。この戦争はウクライナではなく、ロシアが最大の焦点です。より強大なロシアを築こうとする帝国主義的な野望が問題なのです。彼らがウクライナで止まるとは考えていません」
■「首脳会談は時期尚早」
3年ぶりの米ロの高官協議は日本時間の午後9時ごろに終わりました。ウシャコフ補佐官は、プーチン大統領とトランプ大統領の会談について「日程について話すのは時期尚早だ」としています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp


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