除雪が追いついていない地域も残るなか、今シーズン最強の寒波が襲来しています。大雪による大規模な立往生への懸念も高まるなか、過去の豪雪災害を教訓とした備えが始まっています。
■青森市などに『災害救助法』適用
7日は南の九州でも。大分市は初雪となりました。列島のあちこちに雪をもたらしたのは、今シーズン最強の寒波です。すでに災害級の大雪となっている青森では、排雪が進まない地域を支援するため、県の建設業協会のダンプカーが黒石市へと出発しました。
青森県 宮下宗一郎知事
「我々の排雪計画は2月末や3月に入ってからが基本的なことだった。排雪計画を思い切って前倒しして、本格的な1月中旬から2月下旬までの降雪シーズンに備えることが必要」
そして、青森県としては13年ぶりとなる災害救助法が10の市町村に適用されたことを明らかにしました。避難所の設置や倒壊の恐れがある住宅の除排雪などの費用は、国や県が負担することになります。青森市によると、1万件を超える除雪依頼が殺到していて、全てには対応できていないということです。
■スタック多発 救急車まで…
地域の課題を解決するため、民間企業がつくったアプリを見ると、ここ数日、市民から寄せられた大半の投稿は雪についてでした。
アプリの投稿
「限界です!車埋まってます!」
「救急車がスタックしていました」
投稿が集中している地域に向かってみると、車がスタックしていました。近所の人がけん引を手伝います。
運転手
「助かりました。ありがとうございました」
助けた近所の人
「今年5~6台は知らない人を助けている」
(Q.要望は市に伝えている)
「結構、周りの人が言ってくれているみたいで。今、役所に電話してもつながらない状況」
■高まる警戒感…除雪車が待機
この後、発達した帯状の雪雲は北陸を中心にかかり続けて、8日以降、広い範囲で警報級の大雪となる恐れがあります。
福井県では、まだ積雪していない国道8号沿いに、すでに除雪車が待機していました。これほど警戒するには理由があります。国道8号では7年前、最大約1500台とされる立往生が発生。ピクリとも動けない状況が66時間も続きました。同じ福井県の国道364号では雪に埋もれた軽自動車から19歳の男性の遺体が見つかります。死因は一酸化炭素中毒でした。
当時、福井市は2日間で1メートルを超えるドカ雪に見舞われていました。北陸ではこの時と同じくらいの大雪となる恐れが今回もあります。
■“立ち往生”をAIが監視
同じ事態を繰り返さないため。現場では、AIも駆使して被害を食い止めます。
国交省福井河川国道事務所 大森功一計画課長
「ここは福井河川国道事務所が管理している道路を24時間カメラで監視している場所」
(Q.目視だけだとかなり大変)
「相当のカメラがあるので、目視だけでは行き届かない、見られてない箇所がある」
そこで頼りになるのがAIです。
国交省福井河川国道事務所 大森功一計画課長
「こちらの緑囲みしている箇所に車が入って来ると、AIで車というふうに認識。(車が止まって)3分経過すると色が変わって、この時点で怪しいぞと。スタック車両かどうか判断して、その後の対応を決めていく」
こうしたAIを搭載したカメラを、特に立ち往生が発生しやすい県内の58カ所に導入しました。
国交省福井河川国道事務所 大森功一計画課長
「2018年の時は目が行き届かなかったところがあるのは、その通りだと思う。限られた人数の中で雪の対応をしていくというところで、AIの力も借りながら県民の安全安心を守っていくことが大切」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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