“降水量ゼロ”で土砂崩れ 専門家は「凍結融解」指摘 車1台埋没との情報も捜索難航【サンデーステーション】(2023年12月25日)

ANNニュース速報

奈良県の国道で発生した土砂崩れ。
複数の車が巻き込まれ、少なくとも1台がいまも土砂に埋まっているとみられます。
雨がまったく降らない中で起きた崩落。
一体、何が起きたのでしょうか。

■崩れた土砂に車埋まったままか…白煙も

(渡邊萌々香記者)「現場には高さ5メートル幅30メートルほどにわたって現在も土砂が崩れていまして、完全に道がふさがれています。また土砂の中央付近からは何か燃えているような白煙も上がっています」
崩れた土砂から立ちのぼる白い煙。この中に少なくとも車1台が今も埋まっているとみられています。
Q.人が乗っている?
(吉野消防署長)「人が乗っているだろうということで」
Q.どういう状況から?
「煙が上がっているということと、昨夜未明に救出された男性の証言などからあわせて、どうも1台ありそう。呼びかけてもまず反応がない。土砂に埋まっていますし。その方が持っていたであろう携帯電話にかけているんですが今のところは…」
警察は、和歌山県内の女性から「父親が昨日の夜から三重の熊野に釣りに行くと出かけたまま連絡がつかない」と電話があり、この男性が巻き込まれている可能性があるとみています。
きのう23日、夜9時ごろ奈良県下北山村の国道沿いの斜面で幅30メートルほどにわたって起きた土砂崩れ。巻き込まれた軽自動車から、およそ7時間後の今朝、53歳の男性が救助されていました。けがの程度はわかっていませんが、命に別状はないということです。

土砂崩れが起きたのは国道169号。吉野熊野国立公園にも指定されたダム湖に沿った場所です。ことし4月に撮影されたストリートビューをみると…曲がりくねった道路が続いていました。土砂崩れが起きた現場は、ことし5月にも雨の影響で崩れ、防護柵が設置されていました。
(地元住民)「大阪とか同じ和歌山に出るのもこの道通るので、紀伊半島では無くてはならない道」
地元住民によるとこの時期の土砂崩れは珍しいといいます。
(地元住民)「(最近は)天気いいんで」
Q.なのに今回崩落が起きた?
(地元住民)「そうですね。だから我々も寝耳に水というか、冬にこういう風に崩れるのがあまり記憶にはないですね。夏の大雨のときとかが多かったんで」
実は、この3日間、現場付近では雨は観測されていません。では、なぜ崩落したのでしょうか?

■“降水量ゼロ”で土砂崩れ「凍結融解」か

きょう24日午前、現場に入った専門家は、最近の“寒暖差”が引き金になった可能性を指摘します。
(地盤工学が専門京都大学大西有三名誉教授)「まだわかりませんけど、凍結融解の結果じゃないかと。このところの寒暖差が非常に大きく効いているのではないか。最近の温度変化によって寒い時に中の地下水が凍って、膨れ上がる。それを繰り返していると岩盤が弱くなってくる、各地でみられる現象です」
(渡邊萌々香記者)「土砂崩れの崩れた部分ですね、斜面の部分が少しずつまた崩れているのがわかります」
(消防隊員)「危ないということなので報道の方は下がってもらえますか」
現場で新たに亀裂が見つかり、斜面がさらに崩れる恐れがあることから、捜索は難航しています。
Q.きょうの救助活動自体はもう行われない?
(吉野消防署長)「そうですね、ちょっと救助活動は非常に困難な状況になります。上で1.5メートルの深さで横6メートルの亀裂が見つかった。救助の際、危険因子となるのでまずはこれを落としてから救助していこうと思う」

12月24日『サンデーステーション』より
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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