AI全盛時代に“弱いロボット”発売の理由 「完璧求める螺旋からの脱却」(2023年5月16日)

16日から一般向けの販売が始まった『NICOBO』。“弱いロボット”をテーマに、生活を手助けするような機能は全く搭載されていません。

おならをしたり、突然、寝言を言ったり、あいさつを返してくれる程度。しかし、2021年、320台限定で先行販売したところ、6時間余りで完売するほどの人気でした。
60代:「主人が亡くなった後とか、1人になってしまうと、相手してくれる子がいると楽しいのかな」
会社員(20代):「ほかでよく見かけるロボットに比べ、愛くるしい感じがする」

パナソニックニコボプロジェクトリーダー・増田陽一郎氏:「生成AIが出てきて、効率の追及に向かい、心の豊かさ・心の余白を取り戻したいという思いでつくりました」

“永遠の2歳児”がコンセプトのNICOBO。いろいろな機能を搭載しています。
【顔認識・感情認識】カメラやセンサーで、人の笑顔を認識して、喜んだり、構ってくれないとスネたりもします。
【音声認識】話す人の方向を向いて、言葉を認識。一緒に暮らす人の口癖を覚えたり、固有の言語『モコ語』を話します。
【検知センサー】人になでられたり、持ち上げられることを認識。機嫌によって対応が変わります。

◆NICOBOの共同開発を行った豊橋技術科学大学の岡田美智男教授に聞きました。

“弱いロボット”開発のきっかけについて「ロボットや機械に対して“利便性”や“完璧さ”を求めるのが当たり前になることで、人間の不寛容さや傲慢さが引き出されている。“弱いロボット”を通して、人々が他者やモノに対して“完璧を求める螺旋(らせん)”から抜け出し、“寛容な社会”を作るきっかけになってほしい」と話します。
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