アベノマスクも歴史資料に…後世に伝える“コロナ禍”『5類移行』で振り返る3年間(2023年5月8日)

ANNニュース速報

8日から、新型コロナの感染症法上の位置付けが「5類」に引き下げられました。私たちの日常は、どう変わっていくのでしょうか。

『いとう王子神谷内科外科クリニック』伊藤博道院長:「きょうは5月8日で、感染症法の取り扱いが変わった。新型コロナの検査は希望しますか」
患者:「症状的にそうなら、仕事しているので」

こちらの患者は、咳が止まりません。これまでなら、すぐ検査するところですが…。

伊藤博道院長:「今までは検査が公費で無料だった。どうしましょうか」
患者:「熱出ていないが、その場合どうした方がいいですか。コロナの可能性が高いのであれば検査したいが、そうでなければしなくていいのかなと」

これまで無料だった検査や医療費は、1~3割の自己負担となります。70歳未満だと、抗原検査で約1350円、PCR検査で約2550円かかることになります。

伊藤博道院長:「無料ではないので、お気持ち次第ってところがある。必要か必要でないかと言われたら、やるにこしたことはないが、必要でもないとも言えないし、難しい」

8日、コロナの疑いがある患者15人のうち、検査を受けたのは8人にとどまりました。

伊藤博道院長:「(患者が)考えて検査を選ぶ時代になったと思いますし、すり抜けちゃうというリスクがあると思う。後遺症を減らすためにも、重症者を出さないためにも、的確な時期に遅滞なく診断し、治療することがベストであることは間違いない。検査が受けにくくなることは、医療の立場からすると痛手」

毎日の感染者数発表も8日で最後となります。今後は週に1回、全国約5000の医療機関から報告を受ける「定点把握」になります。

都内で最初の感染が確認されてから3年と3カ月余り。今後を見据えた動きが様々な現場で始まっています。

栃木・野木町の介護老人保健施設『ひまわり荘』ではこれまで、窓越しでの面会でしたが、8日からはパーテーションなしの面会が可能になりました。

母親と面会した、丸山園子さん(62):「すごくうれしいです、こんなに近いと。かなり厳しい状態と言われているが、声かけたり子どもの名前を呼ぶと、反応がある気がする」

徐々に日常を取り戻しつつあるものの、施設側としては悩ましい思いもあります。

『ひまわり荘』野本和範事務部長:「(Q.街は緩和ムードだが、違いは感じるか)我々としては、コロナはなくなったわけではない。扱いが変わっただけ。脅威自体は変わらない。すべてを緩和してしまっては、感染のリスクが高まってしまうので、利用者の安全安心を含めて守っていかないといけない」

脱コロナに向けた日常の変化は、こんな業界でも。

『近藤産興』近藤達夫取締役:「消毒の機械ですね。電動のもの足踏みのものもある。使われたものが戻ってきている」

「何でも貸します」がキャッチフレーズのレンタル業者です。コロナ禍に貸し出していた大量の商品が続々と返却されています。

近藤達夫取締役:「我々も大量に買ってお貸しして、集団接種会場でも大量に設置していただいた。どんな会場でも“消毒を徹底している”と言わないと、イベント自体ができなかった」

いつの日か、処分したり、売却したりするときがくるかもしれません。ただ、これからは、本来のビジネスに戻れることも期待しています。

近藤達夫取締役取締役:「お祭りでよく下げているもの。(コロナ前は)毎年借りていただいていた会場から“今年はやれるようになった”と連絡をいただくことが増えた。良い傾向かなと思っています」

新型コロナウイルスがニュースとして注目されたのは、中国の武漢から。2020年1月のことでした。

欧米を中心に感染は瞬く間に広がり、大都市は軒並みロックダウンに。犠牲者も日に日にその数を増やしていきました。

日本でも感染は拡大し、2020年4月に最初の緊急事態宣言が出されました。

安倍総理(当時):「もはや時間の猶予はないとの結論に至りました。緊急事態宣言を発出することといたします」

小池都知事:「ステイホーム。お家にいてください。外出を控えてください。外出をしないでください」

新しい生活様式、ひっ迫した医療体制、延期された東京五輪…人々の日常は大きく変わりました。

大阪国際大学の五月女賢司准教授は、新型コロナの時代を後世に伝えるため、様々な資料を集めています。

五月女賢司准教授:「(Q.これはアベノマスクですか)これは当時、厚生労働省がすべての日本の方々に配布したマスク。大切な歴史資料として残していきたい。飲み屋(に貼られたもの)ですけど、大阪府の指示に従って、営業を自粛したり時短をしていたのに、どなたかからこういったものを貼られてしまった」

この3年間は何だったのか、その答えは人それぞれです。

五月女賢司准教授:「正義の反対は、正義なのかなって思うくらいに、色んな価値観がぶつかり合っていた3年間だったと、今振り返って思う。将来に向けて、未来に向けて、寛容な社会を築くうえで、ヒントになる3年間だったと思えるものだとすればいいのかな」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

コメント

タイトルとURLをコピーしました