「自前出費は1万ドル超」軍資金に限界“離脱の事情”戦線支える『外国人義勇兵』の今(2022年6月21日)

ロシアが攻勢を強めているウクライナ・ドンバス地方には世界中から多くの義勇兵が集まっています。

同じくロシアから侵攻を受けたジョージアから駆け付けた義勇兵もいます。

ジョージア人義勇兵:「“正義”はこちら側にあります。すべての仲間たちを家族のもとへ帰し、占領者は帰れないようにしてやります」

ウクライナ軍と共に最前線で動きまわる人たちもいます。アメリカなどから集まった軍隊出身者たちとみられています。

こうした義勇兵に対し、ロシア側は敏感に反応してきています。親ロシア派支配地域の裁判所は先日、ウクライナ軍の義勇兵だったイギリス人など3人を死刑判決に。また、別の拘束したアメリカ人の義勇兵に関しては「傭兵(ようへい)なので捕虜として扱わない」と主張しています。

ロシア大統領府、ペスコフ報道官:「彼らはロシア軍への発砲や砲撃に関与し、兵の命を危険にさらした。彼らはウクライナ軍に属しているわけではありません。(Q.つまり?)ジュネーブ条約の対象ではないということです」

ロシアが義勇兵を敵視するのは、彼らの持つスキルが脅威だからというのがあります。

3月にウクライナに入り、激戦地を渡り歩いた韓国海軍特殊部隊の元将校、ケンさん。外国人義勇兵の存在意義について、このように説明しています。

元韓国海軍特殊部隊、ケンさん:「ジャベリンやスティンガー、りゅう弾砲を扱った経験があるのか、そういうのは重要な特殊技能です。外国が兵器を数多く支援しています。ウクライナ兵が使えなかったら、義勇兵が使うことになります」

ロシアにとっては厄介な存在です。そういう事情もあってか、ロシアは先日、義勇兵に関する国籍別のリストを公開しました。信ぴょう性に疑問の声はあるものの、これまでに6956人がウクライナ入りし、その内1956人を殺害したというものになります。

ロシア国防省、コナシェンコフ報道官:「ロシア国防省は、ウクライナに入国する国際“首無し騎士団”のメンバーを1人ずつ追跡し、記録しています。欧米が供与した兵器の指導員もカウントしています」

しかし、義勇兵は義勇兵なりの問題を抱えていました。

アメリカ海兵隊で教官をしていたデイブさん(仮名)。ここでも同じように教官をするつもりでしたが、入国した瞬間に前線へと駆り出されました。

多くの困難も大儀のためと思えば我慢はできましたが、デイブさんにとって一番の問題は出費でした。

元アメリカ海兵隊、デイブさん:「現地に行くだけでも大金をはたきました。自前の出費は1万ドルを優に超えています。家族の生活費もあるし、装備も買わなければなりません。自分の財布から隊員の食料や必要な装備を確保することもありました」

デイブさんは軍資金が尽きたため、帰国を余儀なくされました。

元アメリカ海兵隊、デイブさん:「米英やドイツ・ポーランドからの支援は、義勇兵のためには使われていません。指揮官も隊員もウクライナにとどまるためのお金がなくて、生活費を賄うために帰国して仕事に戻らなくてはならないのです。義勇兵が戦えるだけの兵站(へいたん)を確保するには、みんなが経済的に支える必要があります」
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