電気代2倍に「大ピンチ」“電力難民”3万社にも・・・燃料高騰で「新電力」苦境に(2022年6月20日)

新潟県の遊園地では電気料金を、突然、2倍にすると突き付けられました。年間の電気料金が示された資料をみますと、現状、約1820万円が、来月から値上げされ、約3580万円。1700万円以上の増額になります。

遊園地側は、電気料金を節約するため、メリーゴーラウンドの電飾を3分の2に減らしました。また、モーターで水をくみ上げる階段状の滝を止めることも検討しています。それでも、コストを下げられるのはわずかで、7月1日から、乗り放題のチケットを一律400円値上げすることにしました。

こうした事態に陥った背景には、彼らが電気を購入していた「新電力」が関係しています。
サントピアワールド・高橋修園長:「次の電力会社の契約が、どこかできないかといろいろ探したが、全部、新規契約はできないと」

2016年に電力の小売りが完全自由化され、さまざまな企業が電力の販売事業に参入。大手よりも料金が安い「新電力」は、顧客を増やしてきました。自前の発電所を持たない新電力の多くは、卸市場から余った電気を購入。ところが、価格が上昇しています。
日本卸電力取引所・國松亮一企画業務部長:「(前年比で)3倍近く卸価格で上がっている現状。今回は、如実に燃料価格の高騰を電力の市場も反映している」

1キロワットアワーあたり、10円以下で推移していた卸価格が、去年の10月から徐々に値上がりして20円近くになり、ウクライナ情勢もあって、現在も高止まりが続いています。

調達コストの上昇で、新電力の中には、事業の継続が困難になるところもあります。

福岡県久留米市では、新電力会社と69の施設を対象に契約を結んでいましたが、突然、事業を撤退するという通知がきました。新たに九州電力と契約したものの、電気料金は当初より約1億3000万円増える見込みです。

民間の調査会社によりますと、新電力会社のうち、すでに1割を超える企業が、倒産などに追い込まれています。

国の制度では、次の契約先が見つからない場合、「最終保障供給」という仕組みを設けています。電気料金は割高ながら、送配電会社から電気の供給を受けることができます。いわば、電気の“セーフティーネット”です。
エネチェンジ法人ビジネス事業部・千島亨太さん:「通常の5倍ぐらいの問い合わせがある。2つ問題点があって、1つは(新電力に)撤退されて「最終保障」に行かざるを得なかった業者。最終保障の方が割安だから行ってしまうという2つの動きがある」

全国でこの制度を利用している会社などは約1万3000件。さらに増える可能性もあります。
エネチェンジ法人ビジネス事業部・千島亨太さん:「問い合わせのペースと、各社の新規の提案状況をみると、(8月ごろには)3万件ぐらいに増える」

政府も20日、会議を開き、対策に乗り出しました。
規制改革担当・牧島大臣:「電力自由化の担い手である新電力がバタバタと経営破綻。需要家(消費者)が“電力難民”となって、電力小売会社を選ぶことができない。こうした厳しい状況を一日も早く解消することが必要。一日も早く解決策を実行していただけるようお願い」
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