長期間続く恐れも・・・能登で続く地震の原因は“流体”これまでと異なるメカニズムを解説(2022年6月20日)

石川県の能登地方では連日、大きな揺れが相次ぎ、地震活動が活発な状態が続いています。

気象庁・鎌谷紀子地震津波監視課長:「この地域では1年以上、地震活動が続いていて、当面継続すると考えられるので、引き続き注意して下さい」

能登地方では、おととし12月から震度1以上を観測した地震が160回以上、起きています。

19日の震度6弱の震源から5キロほどの距離で、20日の震度5強が。その後も、すぐ近くで震度4の地震が起きました。

気象庁は、1年半前から続く一連の地震活動で起きたものとしています。

珠洲市にある春日神社では、鳥居が根本から崩れ落ち、石灯籠も崩れました。“軍艦島”とも呼ばれる能登のシンボルも、一部が崩れ落ちました。小学校のグラウンドに走るひび割れも、20日の地震でさらに大きくなったといいます。

珠洲市の正院町では裏山が崩れ、住宅にまで迫っていました。

乙谷衞一さん:「最初の震度6弱の時は、たまたま街に出ていて留守だった。帰ってきてびっくり。もういい加減にしてほしい。ここのところずっと地震続き。そろそろ終わりにしてほしい。(Q.週後半は雨の予想だが?)それが一番心配。雨がしみ込んで、余震で崩れないかなと」

がけ崩れ現場から2キロほど離れた場所では地震の後、地面から勢いよく水があふれ出したということです。

山田照夫さん:「2階の窓から家の正面を見たら濁流。親が納屋で片付けをしていた。水位が上がって流されそうになり、何とか大丈夫で、外に逃げた。収まってほしい一心」

これまでに確認されているけが人は7人。気象庁は今後1週間ほど、震度6弱程度の揺れを伴う地震に注意するよう呼び掛けています。

◆能登半島の地殻変動の分析を続けている京都大学・西村卓也准教授に聞きます。

西村准教授によりますと、能登地方で発生した地震は「プレートとプレートのずれ」による地震ではなく、
「海側のプレートから取り込まれた“流体”」が原因とみられます。

流体は、陸地に向かって沈み込むように動く海側のプレートとともに、地下深部へ移動していきます。

地下深部は高温・高圧のため流体が分離され、周りの岩石より軽いため、浮力で地下十数キロまで上昇します。

上昇した先にある岩盤には小さな亀裂がいくつもあり、流体が流れ込むことで岩盤に圧力が加わります。

そこから、岩盤にあった亀裂がずれる、もしくは、断層面に入り込んだ流体が潤滑油のような役割を果たし、ずれて地震が起きることが考えられるということです。

(Q.流体の正体は何ですか?)

西村卓也准教授:「地下にある流体の正体としては、マグマ・ガス・水の3つが考えられます。ただ、能登半島の周辺に火山はないので考えにくく、今のところ水の可能性が一番高いと考えています。

(Q.今後しばらく警戒が必要だとされていますが、どう見ていますか?)

西村卓也准教授:「流体が地下で溜まることによって、国土地理院によりますと、珠洲市では地盤が4センチほど隆起しているという観測例もあります。非火山地域で4センチという隆起が観測されるのは、非常に大きなものです。今後も地殻変動などが原因となって、引き続き地震を起こす可能性があります。気象庁が言うように“今後1週間”は一つの目安として重要ですが、群発地震という特性を考えると今後数週間、あるいは数カ月といった単位で、今回と同規模の地震を警戒していかなければいけないと思っています」

(Q.「大きな地震の後の余震があります」という表現も適切ではないですか?)

西村卓也准教授:「余震は、大きな地震があって、それよりも小さい地震があることを言いますが、今回の地震のタイプは、同じような規模の地震が時間を空けて、活発になったり穏やかになったりしながら、長く続くという特徴があります。余震という考えを持たずに、今後も同規模の地震が起こり得ると考えて防災行動を取って頂きたいと思います」

(Q.流体が原因の地震は、能登半島以外でも起こる可能性はありますか?)

西村卓也准教授:「日本列島の下には、だいたいどこにも海のプレートがあります。日本全国いろんなところで、こういうメカニズムの地震があるというのは、最近の研究で明らかになってきました。十分に分かっているとは言えませんが、流体は特に内陸に起こる地震の発生原因になり得るということが研究途上です」

(Q.流体の圧力はどうやって収まりますか?)

西村卓也准教授:「例えば、流体が浅くなって地上に噴き出て終わるパターンも考えられますし、流体が拡散して徐々に収まっていくパターンも考えられます。今後どうなるかは見通せないところです」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp