マリウポリ制圧か 民間人の避難どうなる 現地「ロシア化」顕著に(2022年4月21日)

 ロシアのショイグ国防相がプーチン大統領と会談し、マリウポリを制圧したと報告しました。これを受けてプーチン大統領は、まだ避難者が残る製鉄所について「ハエも入り込めないように」と封鎖を命じました。

 狙いはどこにあるのでしょうか。

 ロシア、プーチン大統領:「計画されている工業施設への襲撃は目的にかなっていないと考える。中止を命じる」

 21日、プーチン大統領はウクライナ南東部マリウポリでウクライナ側の拠点となっているアゾフスタリ製鉄所への襲撃計画を中止するよう命じました。ただし・・・。

 ロシア、プーチン大統領:「カタコンベのような所に入って地下に潜る必要はない。1匹のハエすら出られないように封鎖しなさい」

 20日、そのマリウポリの街角に荷物やペットの犬を抱えた人たちが集まりました。

 住民:「ザポリージャの姉妹の所に行く。砲撃、悪夢からの休息が必要。30日間、地下室に隠れていた」「私を待ってくれている息子の所に行きたい。『いつ来るの?』って聞かれている。息子と義理の妹と孫娘がいる。戦争が始まる直前にチケットを買ったが、2月24日に戦争が始まってしまった」

 人々が並ぶ後ろに止まる車にはロシア側を示す「Z」の文字があり、兵士も白い腕章をつけたロシア側の兵士です。

 ロシア側の立ち合いのもと、バスに乗り込んだ人々はいったん、まだロシアに支配されていない地域に移動したということです。

 マリウポリテレビ、ニコライ・オシチェンコ社長:「人道回廊は成功してほしいが、この1、2カ月でロシアが信用できないことが分かった。期待はできないが、心の底から成功を祈っている」

 バスが向かうのはマリウポリの北西にあるザポリージャです。

 ウクライナ側はバス90台を派遣し、約6000人を避難させる計画だとしていました。

 しかし、ウクライナのベレシュチュク副首相によりますと、出発できたのは、わずか4台。 

 海沿いの街、ベルジャンシクで1泊し、ザポリージャに向けて北上しているといいます。

 ベレシュチュク副首相:「人道回廊は計画通りには機能しなかった。ロシア軍が現地部隊を統率できておらず、適切な停戦が実行されなかったためだ」

 CNN記者:「一方、兵士の避難について『兵士はロシアに投降するか』と聞いたら、アゾフ大隊の人は『それはない』と。『なぜならロシアはアゾフ大隊を憎んでいる。投降すれば処刑されるだろう。アゾフ大隊が街を出るには2つの選択肢しかない。第三国の仲介で避難するか戦闘で命を落とすかだ』」

 ベレシュチュク副首相は、日本時間の21日午後8時にもバスによる避難が準備されているとしています。

 果たして人々はロシア側が包囲する街から抜け出すことはできるのでしょうか。

 ウクライナ側は、民間人と部隊を退避させるため、条件なしの協議をロシア側に提案しました。

 ポドリャク大統領府顧問のツイッター:「我々はマリウポリで特別な協議を行う準備がある。1対1か2対2になる。アゾフ大隊や軍、民間人を救うためだ」

 アゾフ大隊、ジョリン・マキシム司令官:「住民全員が脱水と飢餓の状態にある。街を封鎖され、攻撃を受け続け自宅が破壊された人たちだ」

 ロシア側の支配地域では学校が再開されました。

 そこから見えてくるのはロシア側が進める住民の「ロシア化」です。

 使われている教科書はロシアが提供した教科書。

 壁に貼られているポスターに書かれている標語は、「祖国のために」「ロシア人のために」

 前線で戦う兵士が恐れるのも国がなくなることです。

 ウクライナ軍・ゴルディーブ司令官:「敵は800メートルくらいの所にいた」

 ピスキー村はマリウポリと同じドネツク州にあります。

 ウクライナ軍・ゴルディーブ司令官:「イギリスの兵器です。装填(そうてん)はされていません。私には良い兵器です」

 周囲には地雷原もあります。

 ウクライナ軍・ゴルディーブ司令官:「(銃声は)常にあります。今では普通のことです」

 ゴルディーブ司令官は、自称・ドネツク人民共和国が独立を宣言した8年前から戦っています。

 ウクライナ軍・ゴルディーブ司令官:「敵は私の国を破壊したがっています。都市だけではなく、人々を殺すだけでなく、私の国を破壊している」
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