ロシアで取材続ける記者が見た“経済制裁下”の現実(2022年4月16日)

・経済制裁の影響でロシアでは日用品が7割以上の“値上げ”も
・ネットで話題に・・・描き続けるために国外脱出した風刺画家は

これは16日のモスクワ市内の様子です。

3月、閉鎖を前に賑わっていたマクドナルドは、店内は真っ暗で人の姿はありません。
経済制裁の影響で市民生活はじわじわと苦しくなっています。

レストランのメニューには値段を消した跡があります。
値上が続いているためメニューを作り直しているといいます。

スーパーの店内を見ると外国産ワインの棚には隙間が目立ちます。
日用品ではモノがないということはありませんがトイレットペーパーは1か月前と比べ7割以上の値上げ。
砂糖は1か月前と変わらず「1回5キロ」までと制限されている上に、3割以上値上がりしています。

(ロシアの独立系テレビ局「ドシチ」ヴァシリー・ポロンスキ元記者)
「いろいろなものの値段が上がっていて、日常的に買うそばの実や水なども値上がりしたのが1番変わったことです」

こう話すのは、「戦争」や「侵攻」などの表現が問題視され、先月業務を停止した、反体制の独立系テレビ局「ドシチ」の元記者、ポロンスキさんです。
ロシアを離れた同僚も多い中、ポロンスキさんはロシアに残り取材を続けています。

(ロシアの独立系テレビ局「ドシチ」ヴァシリー・ポロンスキ元記者)
「マクドナルドの閉鎖は、人と人のコミュニケーションを断ち切り、社会的な機会を破壊することなんですね、少なくとも30代の私の世代にとって、マクドナルドはモスクワや大都会における社会生活の重要な一部でした」

また、今後深刻な医薬品不足が懸念されるといいます。

(ロシアの独立系テレビ局「ドシチ」ヴァシリー・ポロンスキ元記者)
「薬は問題になっています。(店から)少しずつ消え、いったん消えれば、再入荷もありません」
「私は痛風を患っていますので炎症時にこの鎮痛剤を大量に飲みます。このような薬の入手も難しくなるかもしれません」

こちらはロシア人の漫画家が描いた風刺画です。
雨雲には「制裁」と書かれています。

(ロシア人風刺漫画家 セルゲイ・ヨルキンさん)
「ロシアで権力を握っている人たちは、経済的にも社会的にも制裁から守られているんです。しかし、一般の人々は(制裁に対して)完全に無防備で、多くの苦しみを受けていることを伝えようとしました」

20年間ロシアで風刺画を描いてきたヨルキンさんは一週間前にロシアを離れ、ブルガリアで生活を始めました。

(ロシア人風刺漫画家 セルゲイ・ヨルキンさん)
「確実で明確な脅威があったとは言えませんが、何となく危険な雰囲気はありました。(ロシアから)出国してから、安心感を得られました」

有名人であるヨルキンさんがロシアを去ったことはネットで大きな話題になったといいます。

(ロシア人風刺漫画家 セルゲイ・ヨルキンさん)
「私が去ったことで親族に圧力がかかっていると聞いています。メディアやSNSで大騒ぎになったことで、ロシアに残っている彼らへの注目が高まり、そのことが懸念と恐怖につながります」

ヨルキンさんはロシア政府から「外国代理人」の指定を受けました。
いわば「スパイ」のように扱われ、活動に様々な制限が課されるといいます。

(ロシア人風刺漫画家 セルゲイ・ヨルキンさん)
「これからも(風刺漫画を)頑張ります。実は、私の仕事の本質は、ロシア当局の行動を批判することにあるのです」
「(風刺漫画を描く)私の活動を1日も止めるつもりはありません」
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