大雨で再び崩落・・・住宅街に迫る“大量土砂” 京都【羽鳥慎一 モーニングショー】(2021年10月22日)

 京都市内の山に捨てられた、建設残土の「盛り土」。この盛り土が、3年前の西日本豪雨の影響で、およそ400メートルにわたり崩れ、住宅街の10メートル手前まで迫りました。

 現在、この盛り土を是正する工事が行われているのですが、今年8月の大雨でも再び崩れ、住民が不安な日々を送っています。

■大雨で再び・・・「盛り土」崩落

 京都市伏見区の閑静な住宅街のすぐそばにそびえ立つ、標高182メートルの大岩山。山頂では、21日も土砂崩れ対策の工事が続けられています。

 大岩山の山頂付近では、建設残土が積み上げられている中に、複数台の建設機械があるのが分かります。重機が動いていて、何かしらの作業、是正工事が行われているものと思われます。

 大岩山で最初の土砂崩れが起きたのは、3年前の2018年7月です。

 西日本豪雨で、山頂付近に大量に積まれていた盛り土が崩落。麓の農業用ため池を埋め尽くし、住宅からわずか10メートルの地点まで土砂が迫りました。

 さらに、その2カ月後に関西を襲った台風でも、再び盛り土の崩落が起きました。その後、京都市からの指導を受け、土地の管理会社が対策工事を行っていましたが、今年8月・・・。

 京都市に雨が降り続き、まだ工事が行われていなかった場所で、高さ8メートル、幅20メートルにわたり、再び盛り土が崩落。最初の土砂崩れから3年が過ぎた今も、住民たちは不安な日々を送っています。

 近隣住民:「やっぱり雨が降ったら、ちょっと怖いですね。寝られないっていう形になります」

 近くの駐車場を利用している人:「大きな台風とか大雨とか、そういう自然災害が起こると、(谷の)筋違いにドンと来るんじゃないかという不安はあります」

 近隣住民:「熱海の一件以来、すごく住民は怖い思いをしていますので。(残土を)全面撤去して頂きたいのが、住民の願いです」

■無許可で土砂搬入「元に戻して」

 なぜ、これほどの大量の土砂が持ち込まれたのでしょうか。

 土砂が崩落した大岩山の山頂付近では、土地の管理者から開発業務を請け負った複数の業者が、市の許可を受けずに建設残土を大量に搬入しました。

 当時の防犯カメラには、ダンプカーが荷台に大量の土砂を積み山頂に向かう様子が捉えられています。

 住民らによると、地形が変わるほどの量で、どれだけの土砂が運び込まれたのか、京都市でも把握できていません。

 小栗栖自治会・内川喜人顧問:「原型はこういう形じゃなしに、ここは実際は谷でしたので、全部不法投棄した土なんです。なぜ、ここまでなるまで止められなかったのか、行政は」

 京都市の指導を受け、土地の管理会社は、土砂が崩れないよう、安定した勾配への斜面形成や、緑化工事などを行っています。

 一方、住民側は運び込まれた土砂をすべて撤去してほしいと市に訴えていますが、聞き入れてもらえない状況です。

 小栗栖自治会・内川喜人顧問:「ここから下に住んでる方々、小栗栖の住民は3300世帯あるんです。その住民の99%までは、土をみんな撤去してほしいと。こういう状態で、なんぼきれいに山で盛ってもらっても、納得はしない。元の姿に戻してほしい」

■栗畑埋没・・・地元住民が自費撤去

 この男性も土砂の全量撤去を求める1人。おととしの土砂崩れで、所有する400坪の栗畑が埋没し、毎年50万円程度あったという栗の販売収入が全く得られなくなりました。

 近隣住民・田中滋さん:「ここに、川が流れてたんです。約1メートル50センチから2メートル、この土石で埋まりまして。要は、今立っておられるここが頂点やったんです。約2メートル下に、ここら全部栗林。あの先に大木があるんですが、2本ほどまだ残ってる。あの手前まで栗の木が植わってたんです」

 およそ2メートルの高さまで積み上がった大量の土砂。土だけでなく、廃棄物が混じっているのが確認できます。

 男性は、畑に流れ込んだ土砂の撤去を市に求めていますが、応じてもらえないといいます。

 こうしたなか、今年8月の大雨で、谷にたまったまま放置された土砂が男性の畑に流れ、さらに被害が拡大しています。

 近隣住民・田中滋さん:「栗畑が、まだ復旧されていない状況で。今までよりも、土が何十センチかさ上げされたような状況」

 農業被害への補償もないなか、男性は、畑を再生するため、自費でパワーショベルを購入。免許も取得し、自ら土砂の撤去を行っています。

 近隣住民・田中滋さん:「まず除去をして。上からの土石流の土じゃなく、いい土を、堆肥を入れて。そこから植林をして」「(Q.栗を作っていた時に戻りたい?)戻りたいですね」

■全量撤去を要望 京都市は・・・

 住民側が求める建設残土の全量撤去は、今後行われるのでしょうか。

 京都市議会では、こんなやり取りが・・・。

 まちづくり委員会・橋村芳和市議:「住民が求めてきた土砂の全量撤廃からは、程遠いとの内容の記載もあるが」

 京都市都市景観部・森知史土木担当部長:「安全対策をしっかり行うことが大前提でございまして、必ずしも原状回復を求めるものではない」

 まちづくり委員会・樋口英明市議:「安全対策という工事を行っているけれども、それが本当に安全なのか」

 京都市都市景観部・森知史土木担当部長:「是正工事を行った後は、通常の大雨、あるいは地震等には耐え得る斜面になる」

 全量撤去は行わない方針の京都市。対策工事を行っている土地の管理者は、どう考えているのでしょうか。

 番組は、管理会社の社長に話を聞くことができました。

 土地の管理会社社長:「基本的には開発指導課さんのご指導に基づいていますので。私共としては、その指導に従って、工事を行わさせて頂いてる」

 土地の管理者は、あくまで市の指導に従って工事をしているといいます。

 近隣住民・田中滋さん:「やはり台風とか、雨の時期がすごく怖いですね。なかなか京都市さんの動きが遅いんで、なんとか行政、京都市ができひんなら京都府が代わりにして頂けるようなことに、ならへんかなというふうにすごく思っております」

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2021年10月22日放送分より)
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