「愚かな言葉選びを反省」“解任”の小林賢太郎氏(2021年7月22日)

 東京オリンピック開幕を23日に控えるなか「異例の事態」となっています。組織委員会は、開閉会式の演出を手掛ける、小林賢太郎氏について「ユダヤ人大量虐殺」を巡る不適切な表現があったとして解任しました。

 開幕直前、突然の解任でした。

 大会組織委員会・橋本聖子会長:「開閉会式の制作、演出チーム、クリエーティブチームの一員である小林賢太郎氏が、自身の公演で過去に『歴史上の痛ましい事実』を揶揄(やゆ)するセリフを使用していたことが分かりました。東京2020組織委員会はこれを受けまして、本日、小林氏を解任することに致しました」

 東京オリンピック・パラリンピック組織委員会は22日、大会前日会見で、東京オリンピックの開会式と閉会式で演出担当を務めていた、元お笑いユニット「ラーメンズ」の小林賢太郎さんの解任を明らかにしました。

 東京オリンピック・パラリンピックに関わる人が辞めるのは、今週だけで実に3人目。しかし、「解任」は小林さんが初めてとなります。

 大会組織委員会・橋本聖子会長:「これだけ次々と、こういった多くの問題が発覚していること。そして、対応をしていかなければいけない。かなり、後手後手に回ってしまっているようなことが印象として残っていること、こういったことには、大変反省しているところであります」

 解任のきっかけとされるのは、1998年に発売されたお笑いのライブビデオに収録されている、ラーメンズのコントの一幕。このコントの動画がSNSなどで拡散されました。

 そのやり取りのなかで、「ユダヤ人大量惨殺ごっこ」という言葉が出てくるのです。

 世界的なユダヤ人保護団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」は21日、非難の声明を発表。

 NGO「サイモン・ウィーゼンタール・センター」:「どんな人でも、どんなにクリエイティブな人でも、ナチスの大虐殺の犠牲者をあざ笑う権利はありません。この人物が東京オリンピックに関わることは、600万人のユダヤ人の記憶を侮辱し、パラリンピックを残酷に嘲笑することになります」

 組織委員会が今回の問題を把握したのは、22日の未明。

 大会組織委員会・橋本聖子会長:「この度の小林氏の問題につきまして、私自身、組織委員会は今朝、深夜から朝方にかけてそれぞれの情報が入ってきたことで協議し始めました。これは、やはり外交上の問題も色々あると思っております。そういうことから、早急に対応しなければいけないということで、解任という運びになった」

 開会式一日前の解任に、各方面で驚きの声が上がりました。

 小池百合子都知事:「とても驚きましたし、また、今回の件、私ども東京都で作りましたオリンピック憲章でうたう人権の尊重という条例があって、これに反するということで、組織委の判断は適切なものだと考えている」

 非難の声明を発表した、サイモン・ヴィーゼンタール・センターはインタビューに答えました。

 サイモン・ウィーゼンタール・センター幹部、アブラハム・クーパー氏:「開会式の直前で、とても難しい決定だったとは思いますが、日本の組織委員会は適切な決断を下してくれました。我々ユダヤ人社会やナチスの虐殺に遭った被害者家族は感謝しています。彼は、この発言の後や、最近でも反省することができたはずです。そうすれば、大会に向けた十分な時間が確保できたでしょう」

 解任された小林さんのコメントは、橋本会長を通じて発表されました。

 小林賢太郎氏のコメント:「ご指摘を受け、当時の事を思い返しました。思うように人を笑わせられなくて浅はかに人の気をひこうとしていた頃だと思います。その後、自分でもよくないと思い、考えを改め、人を傷つけない笑いを目指すようになっていきました。人を楽しませる仕事の自分が、人に不快な思いをさせることはあってはならないことです。当時の自分の愚かな言葉選びが間違いだったということを理解し、反省しています。不快に思われた方々におわびを申し上げます。申し訳ありませんでした」

 組織委員会によりますと、小林さんの役割は開会式などのショー全体の調整で、単独で企画したパートはないということです。

 スタート直前になっても続く、前代未聞のドタバタショー。23日に迫った開会式は一体、どうなるのでしょうか。

 大会組織委員会・橋本聖子会長:「あすの開会式をどのように行うかにつきまして、現在、検討中であります。
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