コロナ禍の音大、夢に挑みつづける若き音楽家たち(2021年7月18日)

今も多くの大学がリモート授業を余儀なくされる中、
対面授業が欠かせない音楽大学で、学生の夢をつなぐための挑戦が続いています。

□コロナ禍の音大 対面授業を復活させるため“対策”

東京・立川市にある国立音楽大学。
作曲家・久石譲さんや、歌手の広瀬香美さんなどを輩出してきました。

清瑛人さん。ホルン奏者を目指す、学部2年生です。
新型コロナの影響により、去年の入学式が中止に。東京に一回目の緊急事態宣言が発出されたのは、入学から、わずか一週間後のことでした。

(清瑛人さん)
「コロナで何も上手くいかないというか・・・
思い描いていたことから一変してしまって・・・その・・・」

すべての授業が、一時、オンラインに。本来、先生と一対一で行われるはずのレッスンは、練習動画を送り、コメントを受け取る形のみになりました。

(清瑛人さん)
「だんだんその・・・楽しくなくなってきたというか孤独というか寂しかったと思います」

コロナ禍でも対面レッスン9割へ・・・大学の かつてないチャレンジが始まりました。
コロナ禍で、学生の学びをどう守るのか。特に、音楽大学では、実技や対面での授業が欠かせないといいます。
一方、演奏時の飛まつをすべて防ぎきるのは難しいという課題もありました。
そこで国立音楽大学では、独自で、演奏時の空気の流れを検証するなど、少しでもリスクを軽減させる方法を模索。
音楽の現場などで使われている仕切りも導入し、一対一でのレッスンを再開しました。

(国立音楽大学・武田忠善学長)
「コミュニケーションもなかなか出来ないという事で苦労したんですけど、音楽を学ぶ学びの場、それを無くしてはいけないと」

その後、複数人が参加する歌や楽器の授業でも、対面授業を拡大。

仕切りの設置をはじめ、授業の際には、生徒たち自ら、消毒を行います。常に距離を保ち、歌うときもマスクを着用。感染対策を徹底しています。

(清瑛人さん)
「先生の音を間近できけるので、言っていることが掴みやすかったり、分かりやすかったり、うれしかったですね。」

現在、大学ではレッスンの9割が対面で行われています。一方、学科授業の一部はオンラインに。学内でのクラスターは、これまでに確認されていません。

(国立音楽大学・武田忠善学長)
「学生が本当に『先生、対面はいいですね』という、うれしそうな顔を今でも忘れられない。(コロナに)諦めて何もしないっていうのが1番良くない」

□コロナで諦めた海外留学 今は「踏ん張っていく」

ただ、夢を叶えるのが難しい現状も。
今年3月、大学院を卒業した關奈々子さん。
新型コロナの影響により、去年7月、在学中に予定していたスイスへの留学が中止となりました。

(關奈々子さん)
「ああ、もう終わった。というか。これからどう自分の音楽の人生を進めていけばいいのかっていうのがなかなかこう、見いだせなくなってしまって」

しかし、その悔しさを糧に、今年、大学院を主席で卒業しました。

(關奈々子さん)
「今、後ろを向いていたら時間がもったいないなっていう思いが一番強かったかもしれない」

そして現在、声楽科の授業で生徒たちに伴奏を行いながら、夢に向かって歩き続けています。

(關奈々子さん)
「裏をかけば留学できなかったからこそ出来ている仕事でもあって、やっぱり踏ん張っていくってことも必要だなって」

今後は時期を見て、留学を再検討することも視野に、活動を続けていきたいと話します。
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