国産ワクチンの臨床試験始まる・・・参加した医師が解説(2020年12月23日)

新型コロナウイルスの“国産ワクチン”の臨床試験が行われています。“国産ワクチン”は、日本のバイオベンチャー『アンジェス』が、大阪大学と共同で開発しています。海外ではすでに『ファイザー』や『モデルナ』が製造したワクチンの投与が始まっています。そんななかで注目される“国産ワクチン”。国際医療福祉大学の松本哲哉主任教授は23日、30~70代までの15人に投与しました。『アンジェス』は来年3月ごろまでに500人に投与し、安全性や有効性のデータを集めるとしています。

◆国際医療福祉大学の松本哲哉主任教授に聞きます。

臨床試験の第1段階は先月、60人を対象に安全性を確認しました。今回は、第2段階で、500人を対象に、安全性と有効性を確認する臨床試験で、来年3月ごろ終了する予定だということです。

(Q.副反応などの安全性や有効性で、どのようなことがわかってきますか)
有効性については、接種した人の抗体がどれくらいまで上がってくるのかを調べることができますので、良いデータが集まると思います。ただ、接種した人が、どれくらい感染が防げるかというのが大事、それが有効性の証明になります。もし500人が接種しても、今の日本の状況のなかで、感染する可能性は少ない。そうなると、有効性の本当の評価については、第3段階に移らないといけない可能性があります。安全性については、第1段階で、ある程度、結果は出ています。これから第2段階の安全性を決めていきます。ワクチンの副反応として、頭痛、発熱、倦怠感など、比較的早く出るものについては、500人くらいでも評価できます。第1段階の60人で見ても、他のワクチンよりも副反応が少なめです。ただ、稀に起きる麻痺やアナフィラキシーショックのような重症なものについては、第3段階で調べないと、本当の意味での評価は難しいと思います。

(Q.第3段階では、国内外で1万~数万人規模で行う予定ですが、それを経て、実用化されるのはいつごろでしょうか)
臨床試験を日本国内だけで進めると、数年はかかると思います。海外でもできるとしたら、対象が多くなってきます。良い結果が出ていけば、来年後半には、実用化のめどが立つのではないかと思います。

(Q.国産ワクチンを開発するのは大事なのでしょうか)
今、ファイザーやモデルナは承認もされて、接種が始まっています。「なんで国産ワクチンの開発を進めないといけないのか」と思う人もいるかもしれませんが、まだ、接種したワクチンの全部の評価が出たわけではありません。勝負は、まだついていない。ふたを開けてみれば、今、開発中のワクチンのほうがよかったということもあり得ます。日本の方は、特に国産ワクチンに対する期待が大きいです。時間はずれるかもしれませんが、良い評価が出れば、多くの方がこちらを接種したいということになるかもしれません。ワクチン開発は途中段階で、最終的な結論は出ていませんし、これからもっと良いものが出てくる可能性もあります。
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