菅新総裁誕生 総裁選の内幕は・・・最新情報を解説(2020年9月14日)

“ポスト安倍”となる自民党の新しい総裁に菅官房長官が選ばれました。得票数は、菅新総裁が377票、岸田政調会長が89票、石破元幹事長が68票となりました。菅氏の圧勝となった総裁選。テレビ朝日政治部の足立直紀部長に聞きました。

◇菅氏から岸田氏に20票ほど流れたという話もあります。票の動きをどう見ましたか?
苦戦している岸田氏を2位にして、石破氏を3位に落とすために、菅陣営が票を回したんじゃないかという見方も出ています。ただ、今のところの取材では、意図的に回したという形跡は見えてきていません。菅氏を支持した5派閥の中に、菅氏には入れたくないという人が少なからずいたようです。

◇岸田氏が2位になったということで、目は残ったのでしょうか?
2位になったことで、岸田氏は来年の総裁選に向けて首の皮一枚つながった。岸田陣営のある幹部は「十分、来年の秋につながる結果だった。1年かけて地方を回っていく」と話しています。

◇3位となった石破氏は今後どうなりそうですか?
4連敗、しかも今回3位で、来年の総裁選を目指すにしても、周りが支えきれなくなってきています。これ以上、冷や飯を食べたくないというような議員もいるでしょうし、「今後、本人が変わらなければ、石破派を抜ける」とまで言っている議員もいます。場合によっては、石破派が崩壊してしまうということにもなり兼ねない状況です。

◇菅氏は議員票288票、地方票89票と地方票でも圧勝でした。この結果について、菅陣営はどう受け止めているのでしょうか?
菅陣営のある幹部は「最高の結果。石破氏を地方票でも蹴落とせた」と話していました。ただ一方で、地方と議員に認識のずれが出て、だいぶ議員票が流れてしまったため、「国民がしらけてしまうかもしれない」と心配する議員もいました。

◇菅氏は、麻生派・二階派・細田派・石原派・竹下派の、いわゆる“5派連合”の推薦を受け、選出されました。今後の人事は、どうなっていくのでしょうか?
5つの派閥は「自分たちとしては、この人たちを入れてほしい」という入閣候補のリストを作っているようです。自分たちが推す議員を入れてほしいということだと思いますが、菅氏の会見を聞くと、「改革意欲のある人を登用する」「そうした人が色んな派閥に散らばっている」と話していました。そのため、菅氏としては、バランスは取るが、派閥の言いなりではないという“菅カラー”の人事をやろうとしていると感じました。

◇党役員人事をめぐり、幹事長には二階氏を続投させることが固まったようです。やはりここは変えないのでしょうか?
菅新総裁誕生の道筋を作った人ですので、党内の安定やバランスを考えたら、菅氏としては外せないという形になります。

◇選挙対策委員長に、総裁選で菅陣営の幹部を務めていた山口泰明氏を起用することが固まりました。順当な形でしょうか?
竹下派の幹部ですので、バランスも考慮しながら、選挙の要として期待しているということです。

◇総務会長には佐藤勉氏、森山国対委員長は続投するということも決まったようです。この陣容はどのような意味を持っていると思いますか?
各派閥のバランスを考えつつ、森山氏は国対委員長が長いのですが、立憲民主党も安住国対委員長を続投させているので、そことの向き合いの関係で選んだのだと思います。

◇16日には、菅総理が誕生となり、組閣となります。内閣の要である、内閣官房長官は誰になるのでしょうか?
菅氏は、自らの後任について何も語っていませんが、国会運営や記者会見もあるので、総合的な仕事ができる人がいいと話しています。永田町で飛び交っている情報を総合すると、菅氏が政治の師としてあおいできた梶山静六氏の息子・梶山弘志氏が有力なのではないかという声があります。他にも、加藤勝信氏や萩生田光一氏を推す声もありますが、早ければ14日夜中にも見えてくるんじゃないかという気がします。

◇安倍政権では、財務大臣とともに、副総理を務めていた麻生氏はどうなるでしょうか?
二階派に対抗して、細田・麻生・竹下の3派連合で、菅氏支持の会見を開いたのが麻生氏です。二階氏と対抗するバランスという意味で考えれば、副総理兼財務大臣で続投させるのがいいのかなと思います。ただ、菅氏と麻生氏は必ずしも仲がいいというわけではないので、その辺りをお互いがどう考えるかというところがポイントになります。

◇外務大臣は茂木氏が続投することが固まっているということです。
日英のEPA交渉をまとめたばかりで、茂木氏の外交には安定感があります。菅氏は外交が苦手だと言われていますが、逆に茂木氏が外交が得意なので、しっかり任せようということだと思います。

◇菅氏が新たに創設するといわれている、“デジタル庁”のトップには、誰が有力でしょうか?
はっきりとした名前は出てきていませんが、自民党内にもIT分野に強い議員がいるので、そのなかから、改革ができる人ということで選ぶと思います。

◇この秋冬にもとささやかれている衆院解散はどうでしょうか?
自民党内では「ご祝儀相場で支持率が高いうちに解散をした方がいいのではないか」という声が高いですが、14日の菅氏の記者会見を見ると「コロナの収束と同時に経済を立て直すことが大事だ」と強調していました。言葉通りに受け取ればですが、すぐには解散せずに、コロナ対応を進めようとしていると強く感じました。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp