4月発症の報ステスタッフ“抗体”減少 専門家解説(2020年9月3日)

無症状の人も含め、日本ではこれまでに新型コロナウイルスに約7万人の感染が確認されています。この感染した人の体内にできる“抗体”に注目が集まっています。報道ステーションでは、4月に発症したスタッフのうち、3人の血液を採取。全員に新型コロナウイルスに対する抗体が出来ていることを7月に確認しました。しかし、回復した患者の高い割合で、感染後2カ月~3カ月以内に抗体が減少し始める可能性があるといいます。

3人の抗体は、維持されているのでしょうか。今回も、東邦大学が進める信頼できる抗体検査を確立するための研究に、継続ボランティアとして参加しました。前回と同じ3つの簡易検査キットと、1つの精密検査で結果を比較します。今回、検査キットでは、まだ抗体があるという結果が出ました。抗体を“数値化”できる精密検査では、減少の幅に個人差があるものの、全員、数値が減少していました。
 東邦大学医学部微生物・感染症学講座の青木弘太郎助教:「基本的に抗体が減っていくのが自然な経過。恐らく人によって、抗体の下がり方が違う。実際に論文でもすでに時間を追うごとに減っていることは報告されているし、私たちのデータでも減っていることは確認されている」
◆検査の監修に携わった日本感染症学会理事長の舘田一博教授に聞きます。

◇精密検査で、抗体の数値が減っていることについて、どのように見ますか。
回復して、それに伴って抗体の数値が下がってきているということが大事です。2カ月、4カ月経った時点でも陽性ラインを超える抗体があるということ。すなわち、しばらくは抗体陽性が持続するであろうということが考えられます。抗体化が維持されているということであれば、感染防御に繋がってきます。個人差については、いずれも回復期だから、色々な要因があって、違いが出てきていると思います。陽性ラインを下回ると、陰性と判断されます。ただ、陽性になった人が、陰性になったとしても、同じウイルスに感染したら、高いレベルの抗体が産生される可能性があります。抗体化だけではないような免疫機能、“T細胞”記憶が残っている。これが感染対抗性につながる可能性があります。

スウェーデンのカロリンスカ研究所で200人を検査したところ、“抗体”を持つ人の2倍の人に“T細胞”の免疫反応がみられました。マーカス・バガード助教によりますと、「T細胞のほうが感染後の持続期間が長く、抗体を失っても防衛手段は失われない」といいます。“T細胞”は、ウイルスが侵入すると、他の細胞に“抗体”を作らせる、あるいは感染した細胞を殺すなどの機能を持つといいます。

◇抗体とT細胞の二段階で防御できるということでしょうか。
そうです。それ以外にも何重にも免疫機能が残ると考えられます。東邦大学で経験した症例の中で、感染の早期に高い抗体価を認めるような症例で、重症化するような症例が多いとみられます。感染防御に働くはずの抗体価。それが高いと感染が治りやすいと思うわけですが、実際には高い人のほうが重症化しやすい。同じような報告がいくつかの施設で確認されています。
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