総裁選で党員投票せず・・・菅氏“優勢”の裏側解説(2020年9月1日)

“ポスト安倍”をめぐる戦いが本格化してきました。岸田政調会長と石破元幹事長は1日、自民党総裁選への出馬を正式に表明しました。岸田政調会長は、国民の声に耳を傾けるとして“聞く力”を強調しました。
岸田政調会長:「国民の声を丁寧に聞く、人の声を“聞く力”。こうしたものも政治に求められるのではないかと思う。こうした国民の協力を引き出すことのできるリーダーを、ぜひ目指していきたい」

石破元幹事長が掲げたスローガンは“納得と共感”です。
石破元幹事長:「国民を信じて誠実に、誠実に率直に語れば、国民は必ず応えてくれます。それを放棄してはならない。逃げてはならない。国民を信じて“共感と納得”の政治を目指す」
一方、菅官房長官は2日に正式に出馬を表明する予定です。

3人で争う構図は、ほぼ固まりましたが、新しい総裁の“選び方”について、党員投票を実施しないことが1日に決まりました。総裁選は通常、国会議員による投票に加えて、全国の党員による投票を行い、地方の声を反映する仕組みです。しかし、党幹部は、今回、議員による両院議員総会と、各都道府県連の代表者141人による投票で決める方針を表明。党の意思決定を行う総務会で議論され、党員投票を行うべきだという反発の声も相次ぎましたが、より短期間で実施できるとして、党員投票を行わないことで決まりました。

横浜市で農家を営む村田輝雄さん(72) は、40年前に党員になりました。これまで年間4000円の党費を払い続けてきました。
自民党員・村田輝雄さん:「今回のように総裁選挙等があれば、清き一票を選ぶメリットがあるから、今までも自民党員として、自民党を支えてきた経緯もあるので、全国の党員が声を反映できる総裁選が一番いいと確信しているんですけどね。密室じゃないけど、派閥の中で総裁が選出されるようなことは、果たしていいのかどうか。改革なり、変えていかないと、政治の不信はますます強くなるのでは」
新型コロナウイルスで打撃を受ける商店街で、店を構える中森伸明さん(74)も党員の一人です。
自民党員・中森伸明さん:「政策論争もして、この方なら任せて安心だな。商店街も含めて何とかしてくれるんじゃないかと、党員が投票するのは本来の趣旨」
中森さんは、日ごろから菅氏を支持しているといいます。
中森伸明さん:「党員全体から推されて総裁になったというのと、各派閥の長たちが考えたり色々して、細田派、何々派がついたので決まったということだと、ご自分の意識が違うと思う」
こうした声を受けて、自民党の神奈川県連では、県としての3票を誰に投票するか、党員が参加する予備選挙で決める方針です。

総裁選挙の構図がほぼ固まる一方で、永田町の関心は、早くもその先に向いています。衆議院議員の任期が残り1年ほどとなるなか、早期の衆院解散・総選挙の観測が上がっています。
自民党・下村選対委員長:「新内閣、新総理の下で信を問うということは、できるだけ早く国民の賛同を得るためにも、その後、安定的に政権を維持するためにも必要なこと」
立憲民主党・枝野代表:「遠からずは早ければ10月25日といわれている総選挙で、しっかりと政治状況を転換させる。そこに向かって頑張っていきたい」
解散も視野に政権運営を行うことになる次の総理大臣。候補者争いは、激しさを増しています。

◆テレビ朝日・政治部の足立直紀部長に聞きます。

◇安倍総理の意中の人と言われてきた岸田政調会長ですが、それに、疑問符が付いたきっかけは何だったのでしょうか。
新型コロナウイルスの給付金の問題です。当初、世帯あたり30万円の給付金を配布すると官邸と財務省を中心にまとめました。安倍総理と麻生副総理は、“ポスト安倍”として、人気が上がらない岸田さんに手柄を与えようと、岸田さんに、その発表の場を与えました。しかし、その後、二階幹事長と公明党にひっくり返されて、一人10万円の給付となりました。これで、自民党内で調整力がないというレッテルを貼られてしまった。そこで、安倍さんと麻生さんは、名誉挽回の機会を与えようと、事業者の家賃補助で、アピールの場を作りましたが、まったく目立ちませんでした。だから、発信力にまで疑問符が付いてしまった。こうしたことが続き、「選挙の顔として岸田さんで大丈夫なのか」という声が自民党内で高まって、安倍さんも麻生さんも諦めざるを得なかったということです。

◇石破元幹事長は、二階幹事長に派閥の会合で講師を頼むなど、関係を深めようとしていましたが、二階幹事長は、なぜ石破元幹事長を支持しなかったのでしょうか。
二階派には、自前の総裁候補がいません。だから、二階さんにしたら、勝ち馬に乗って、幹事長ポストを守りたいというのがあります。今回、石破さんに勝ち目はないと見たのでしょう。

◇菅官房長官と二階幹事長の間柄はどうなのでしょうか。
2人とも、地方出身で、秘書経験あり。地方議員出身ということで共通点が多い。その2人が、新型コロナウイルスの対応のなかで、さらに接近していきました。今回、二階さんが菅さんを支持することで、党内が雪崩を打って菅さん支持に各派が走りました。これは、二階さんだけのシナリオではなく、元々、永田町では、安倍総理が万が一、辞任することになったら、緊急の両院議員総会による総裁選になって石破さんが不利になるというのは、安倍さんの病気が出てくるもっと前、春先くらいからささやかれていました。今回、両院議員総会による総裁選を行うことは二階さん主導でしたが、当然、安倍総理や麻生副総理の意向も入っているとみられます。

◇菅官房長官は、いつから総理の座を狙っていたのでしょうか。
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