菅氏9年前に批判も・・・総裁選の在り方“異論”続出(2020年8月31日)

“ポスト安倍”を選ぶ自民党総裁選をめぐり、菅官房長官が、立候補の意思を固めたことで、選挙戦の構図が一変しました。菅氏は出馬について、表向きには沈黙を守っていますが、29日には二階幹事長と会談し、出馬の意向を伝えていました。二階派はいち早く、菅氏の支援にまわる方針を固めました。さらに、当選同期や無派閥の若手グループからも菅氏を推す動きが出ています。菅氏は、党の重鎮と会談を重ねるなど水面下での動きを活発化させていて、1日に正式に立候補を表明する方針です。

急速に広がる菅氏への支持で、厳しい情勢に追い込まれているのが、岸田政調会長です。安倍総理の後継者と呼ばれながら、先日の会見で総理からの指名はなく、主要派閥の支持を期待していましたが、同じく安倍総理を支えてきた菅氏の出馬により、票を奪われる形となりました。週末も党内第二派閥を率いる麻生副総理を訪問し、協力を要請しましたが、麻生派は31日、菅氏支持の方針でまとまりました。これを受けて、麻生派に所属し、立候補の可能性をにじませていた河野防衛大臣は出馬を見送る考えです。岸田氏は31日昼前、安倍総理と会談し支持を要請。竹下派の竹下会長とも会談して支援を求めるなど、多数派工作を続けています。世論の支持が高い石破元幹事長は出馬に意欲を見せていて、1日にも表明する方向です。3者を軸に固まりつつある総裁選の構図。二階派・麻生派が菅氏支持にまわるとなると、カギを握るのが、安倍総理の出身派閥・細田派の動きです。31日に行われた細田派の会合では、細田会長に一任する方針が決まり、菅氏を支持する方向で調整が進んでいます。

派閥の力学で進むポスト安倍レースですが、選挙の在り方をめぐっては、党内から異論が出ています。総裁選は通常、国会議員票と、同数の党員による地方票の合計で選ばれます。しかし、今回、党幹部は党員投票を見送る方針です。それに代わる選び方として有力となっているのが、両院議員総会での国会議員、都道府県連の代表者による投票です。緊急時の対応として党則で認められていますが、党員の声が反映されにくくなります。自民党の若手議員は党員投票の実施を呼び掛けていて、党員投票を求める署名には100人以上から賛同が集まり、二階幹事長に申し入れを行いました。同様の申し入れは地方からも次々と出ています。
自民党名古屋市議団・渡辺義郎団長:「黙っていると密室政治で決めてしまう。党費を払って唯一(意見を)反映する時はこの総裁選挙ではないか」
自民党大阪府連・多賀谷俊史幹事長:「党員にとっては、この総裁選は非常に大きな権利というか、自分らの総裁を選ぶという意味では非常に重要なことなんですよね」
稲田幹事長代行ら有志の女性議員も提言をまとめました。党員による投票が行われなければ女性の声が届きにくい政治になると指摘します。
自民党・稲田幹事長代行:「古い自民党を変えていく、そういう総裁でないと、自民党に対する目はとても厳しいので」

国のリーダーでもある党の代表をどう選ぶべきか。菅氏は民主党政権時代、自身のブログで「民主党はたった2日の選挙戦で、議員の投票だけで代表を選ぼうとしています」「推薦人集めに奔走し、誰一人として国民に全く向き合おうとしていません」と指摘していました。
菅官房長官:「(Q.長官が自身のブログで『与党の代表を選ぶことは日本の総理大臣を決めることだ』『議員の代表だけで選ぼうとしている』というふうに批判をしている。このブログでの見解は現在も変わりない?)それぞれの政党で決めているルールに基づいて行うべきだろうと思います」

党幹部は、両院議員総会で押し切る考えで、1日の総務会で決定される見通しです。総裁選は来月14日に行われる予定で、17日には臨時国会が召集、新たな総理が誕生する見通しです。
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