菅氏への支持拡大・・・“総裁選”勝算は?岸田氏に聞く(2020年8月31日)

自民党の総裁選に向け、さまざまな動きが出ています。

◆最新情報について、自民党キャップの山本志門記者の報告です。
自民党の最大派閥・細田派の幹部が都内のホテルに集まって、誰を支持するのか、詰めの協議を行っていました。細田派は、所属議員98人を抱え、いわば総裁選の大票田です。ここに支持を得られるかが、勝敗に大きな影響を与えます。協議のなかでは、政策の継続性、一貫性が大事だとして、派閥として、菅さんを支持する方向を確認しました。つまり、岸田さんでいえば、この細田派の支持を失うほか、第二派閥の麻生派も足並みを揃えたことで、期待していた票を失い、非常に厳しい戦いとなります。

◆31日は“ポスト安倍”候補の一人、自民党の岸田政調会長に聞きます。

◇これまで安倍総理の“意中の人”とされてきた岸田政調会長ですが、菅官房長官が出馬の意向を固めました。ANNの取材によりますと、現在の情勢は厳しく、細田派が菅さんを支持する方向を確認しました。現在の情勢について、どのようにみているのでしょうか。
大きな枠組みとしては、どんどんと方向が決まっているということは聞いていますが、これから選挙が始まります。これから一つ一つ、しっかりと思いを伝えながら、一人一人に働きかけていく。この積み重ねを、最後までしっかりやることによって、結果が変わってくると思っています。

◇党内には、今回の総裁選ではなく、次の総裁選に向けて、顔を売ることが狙いじゃないかという声もあるようですが、どうでしょうか。
毎回、毎回が真剣勝負だと思っています。今回、全身全霊を傾けて努力をしたいと思います。その先のことまで考えている余裕はありません。出るべく準備を続けています。

◇総裁選のカギを握るとされるのが二階幹事長です。新型コロナウイルス対策の現金10万円給付をめぐり、岸田政調会長が取りまとめた『減収世帯への30万円給付』を閣議決定後に。1週間後に二階幹事長らが『一律10万円給付』を主張し、『30万円給付』を撤回することになりました。その結果、岸田政調会長が、党内から「調整力不足」などの批判も受けましたが、二階幹事長に「振り回された」と感じているのでしょうか。
党として、『30万円給付』で決定して、手続きをしていました。その段階で、さまざまな状況の変化のなか、与党のトップ同士の話が持たれて、「ここは思い切って変えよう」という結論になりました。それに従ったということです。二階幹事長に振り回されたわけではなく、手続きのもとに結論が変更されたということです。新型コロナとの戦いは、状況が刻々と変わりますので、機動的に対応していくことが重要な姿勢で、私も受け入れました。

◇今回、二階幹事長に、総裁選の形式は一任されています。両院議員総会で決める方針とみられますが、“密室政治”“派閥の論理”という批判もあります。二階幹事長に党員投票を訴えていく考えはあるのでしょうか。
広く党員の思いをくみ取るということは大事だと思っています。党員の意思を幅広くくみ取るさまざまな工夫や努力は、しっかりやっていただきたいです。

◇ライバルについてですが、菅官房長官は、いわば安倍政権の後継者といわれていますが、公文書の改ざんなど問題がありましたが、どのように考えていますか。
菅官房長官は、大いに腕を振るわれた実力者であると思っています。その際に、国民から見た場合、「どうだろうか」という部分があったのは事実です。その辺について、より説明責任を果たしていく努力は大事なのではないかと思います。

【岸田ビジョンについて】

◇「分断から協調へ」ということで、新しい資本主義、デジタル田園都市構想、ソフトパワー外交を掲げています。「これだけは絶対にやりたい」ということは何でしょうか。
国内においては、格差の問題。海外においては分断の問題。内外とも分断が大きな問題となっています。例えば、子ども食堂など、日本においても格差が生じているという指摘がありました。新型コロナとの戦いのなかで、ますます国内における格差が深刻な状況になっています。現代社会においては、国民の協力なくして、結果を出すことはできません。コロナ対策を見ても、誰もが感じることです。こういった時代にあって、国内の格差の問題が、国民の一体感に大きな影響が出ている。これは真剣に取り組まなければいけない課題です。

◇アベノミクスは失敗だったと思っているのでしょうか。
アベノミクスは経済において、成長の果実を大きくしていった。GDP、企業収益、雇用など成果が上がりました。大企業、富裕層が豊かになることで、トリクルダウンということで、中間層、地方、中小企業に恩恵が広がっていくといわれてきましたが、これがなかなか広がってこなかった。
そこに、新型コロナウイルスとの戦いが加わった。1960、70年代、日本は、1億総中流社会といわれ、均一的で分厚い中間層に支えられた社会でした。しかし、それが変わってしまった。これまでの儲け第一主義という配分でいったら、格差が拡大してしまうことになります。だから分配によるありようを変えていく。さらには、AI=人工知能によって雇用が奪われているといわれていますが、大体、中間層が受け持っている雇用が奪われています。こういった時代が訪れていて、この部分にしっかり光を与えるということが大事だと思っています。今の時代、政治が結果を出すために、国民の協力なくしてはできない。私は、協力を求められるリーダーになりたいということで努力を続けてきました。多くの国民の声を聞く力、こういったものをしっかり持ち合わせることが、国民の共感を得て、協力を得られるということにつながると信じて、政治姿勢を考えてきました。
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