米国が認可した“血漿治療”とは?最前線医師に聞く(2020年8月24日)

アメリカ政府は、新型コロナウイルスから回復した患者の血液成分である血しょうを使った治療の使用を特別に許可しました。
 トランプ大統領:「FDA=食品医薬品局が、血しょう治療の緊急使用許可を出した。致死率が35%も低下することが証明されている。驚異的な数字だ。これで多くの命が救われる」
血しょう治療は、中国では、すでに公式に認められている治療法の一つで、日本をはじめ、各国で研究が進められています。ただ、早急な許可にアメリカの専門家からは「効果や安全性の根拠となるデータが少なすぎる。まだ治験が必要だ」など、懸念の声も上がっています。

◆新型コロナウイルス発生当初から多くの患者を診てきた国立国際医療研究センター・忽那賢志先生に聞きます。

血液の55%を占めているのが『血しょう』になります。血液から血しょう成分を機械で分離して、これを患者に投与することで治療に生かすということです。まず、新型コロナウイルスから回復した人の血液を取って、そこから血しょうを採取。血しょうには、ウイルスを攻撃する“抗体”が含まれていて、この血しょうを直接、患者に投与することで、患者の体内で、抗体がウイルスを攻撃して、治していくという方法です。

※血しょう治療法の良い点はどういうところですか。
 忽那先生:「理論的には、回復者が持つ新型コロナウイルスに対する抗体を直接、投与することができることから、有効だろうと考えられる治療法になります。また、これまでは既存の他の疾患に対する治療薬が用いられてきたが、この回復者血しょうは、新型コロナウイルスに対する特異的な治療薬という意味では初めてのものになります。国立国際医療研究センターでは、十分に抗体があると確認された回復者から、献血と同じ量の400ccの血しょうを提供していただいています。それを冷凍保存して、後に点滴して投与することを想定しています」

※どういった患者に効果が期待できるのでしょうか。
 忽那先生:「中国の臨床研究では酸素投与が必要だけど、人工呼吸器までは必要ではない中等症の患者に有効性がありました。発症してからなるべく早く投与することで、重症化の阻止に繋げられる可能性があると考えています。現在、国立国際医療研究センターでは、投与の臨床研究については、準備中の段階ですが、血しょうの採取と保存を先に開始しています。4月から取り組んでいて、これまで37人分の血しょうを冷凍保存しています。今後、審査が終われば、すぐにでも開始する予定です」

※副作用はあるのでしょうか。
 忽那先生:「血しょうの投与は考え方としては輸血と同じ。輸血と同様にアレルギー反応や肺障害が起きる可能性がありますので、投与後に様子を見るとか、提供者と血液型が適合した患者に投与するなど、安全性については十分な配慮が必要です」

※アメリカで実際に投与を認めていく動きについては、どのように見ていますか。
 忽那先生:「驚きました。FDAは、19日は保留という判断でしたが、24日になって緊急で認めることになった。血しょう治療については、まだ効果が完全に示されているわけではないので、まさか、このタイミングで承認されるとは正直、思っていなかったです」

※どういった課題がありますか。
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