コロナで気づいた“お店”という存在・・・そして意味(20/05/10)

グリル来来オーナー・対比地真六さん(80):「昼間はそうでもないけど、夜が全然、駄目になっちゃった。4月いっぱいで閉店したけどね。自分も歳だし、コロナでこんな時代になっちゃったし、それで思い切ったんです」
 そう語るのは横浜市で創業47年、地元の人に愛されたグリル来来オーナーの対比地さんです。先月いっぱいで47年の歴史に幕を閉じました。
 グリル来来オーナー・対比地真六さん:「(Q.ご自身は『やめたくないな』という気持ちは?)やめたくない気持ちはありましたよ」
 しかし、80歳を迎える対比地さんは家族にお店より命を守ってと懇願され、閉店をする決断をしました。長年通った常連さんたちとの思い出は。
 グリル来来オーナー・対比地真六さん:「(初めて来店した時)幼稚園児だった子どもが今、来てますよ。友達を連れて食べに来てくれます。地域の皆さんに助けてもらって育ててもらったんです。(お店が)47歳になったんです」
 新型コロナウイルスの影響で8日までに経営破綻した企業は全国で128件にも上り、飲食店は17件がお店を閉めることを余儀なくされました。
 連日、報道されている廃業、閉店のニュース。当たり前だと思っていたことが当たり前ではない。そんな現実を知らされています。お店は私たちにとって何なのでしょうか?そのヒントとなるお店に出会いました。
 生き残りをかけ、今まさに崖っぷちでお店を守り続けている大野承さん(73)です。大野さんは横浜市でイベントスペース付きのカフェを経営しています。パーティーメニューが大人気でしたが、今、お店に残っている材料はサンドイッチくらいです。緊急事態宣言を受け、現在、お店は休業しています。
 3丁目カフェオーナー・大野承さん:「4月1日から全面的に閉めた。ライブと集会所という集客を持っているので、場合によっては100人くらい入る催しがあるので、3月の頭からライブやパーティーはキャンセルになりました」
 お店は家賃などを含めると月200万円の売り上げが必要。しかも、自粛を要請されたライブなどが売りのお店です。絶望しかありませんでした。
 三谷紬アナウンサー:「お店自体の存続は悩んだりされました?」
 3丁目カフェオーナー・大野承さん:「悩みました。最初は首をつろうと思いました。本当ににっちもさっちもいかなくて。穴が開いているでしょう。ひもをつるして(首を)つったら楽だなって思って」
 自らの命まで絶つことを考えたことがある大野さん。今回は夜逃げを考えたそうです。しかし、命とお店をつなぎ止めたのはお客さんたちでした。その方法は「クラウドファンディング」
 3丁目カフェオーナー・大野承さん:「『絶対に(お店を)なくせないね』という人が増えて、けつをたたかれて、クラウドファンディングみたいに立て直そうと。借金、融資したというのがありますね」
 お客さんから勧められ、ネットで融資を募るクラウドファンディングを始めたところ、目標金額だった200万円を大幅に超えて350万円以上が集まったそうです。支援する側も大変なはず。お店を守りたい。そう思うのはなぜなのか?出資者の人たちにも話を聞きました。
 出資者:「音楽と親しんでもらえるような場所」「結局、自分の遊び場になっているので、なくなると『ここで飲もうぜ』って言って自分のリビングのように、こんな広い場所ない。50人くらい地域の人が集まって飲めるので、そういう場所を長続きさせたいなって。そのために給料出したり、年金を出したりしている」
 今、自粛を求められている人と人とのつながり。でも、それがないと人は生きていけません。それを気付かされました。
 出資者:「この店が好きなので、地域活動も音楽でサポートしている」「3カメ~4カメのスイッチングライブ配信をしようと」
 守りたいお店の条件は人それぞれ。しかし、お店は地域にとってそう簡単に失ってはいけないかけがえのないものです。そして、何よりもオーナーさんの笑顔こそ私たちが守るべき財産なのではないでしょうか。
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