医療崩壊防ぐには 専門家「大事なのは重症者数」(20/03/31)

東京都では31日、一日としては過去最多となる78人が、新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。これで都内での感染者数は522人。年齢別では、全体の8割以上が50代以下で、若い人の感染が増加。なかには10歳未満の子どもも含まれています。現在、東京都は感染者向けの病床数を500床確保していますが、入院患者数は30日午後8時時点で、重症16人、中等症・軽症450人の合わせて466人と、500床に迫る勢いになっています。

ヨーロッパでも病床の確保が問題となっていて、感染者が9万人を超え、犠牲者が8000人となったスペインの病院では、廊下にもベッドがあふれ、せき払いが聞こえる状態となっています。感染者4万5000人、死者4万5000人となったフランスでは、現在の5000床を3倍近くに増やす意向を示しています。ただ、現場ではすでに、苦渋の選択が迫られる日々が続いています。

パリ近郊の総合病院で研修医として働く折口達志さん(25):「絶対に助からない、そういった判断をした方は、集中治療に行くことは断る判断をしている。そういった対応をしないとパンクしてしまう恐れがある」
と話します。実際、80代の感染者が訪れた時には、すでに重症で助からないという判断のもと、治療を断らざるを得なかったといいます。ただ、集中治療室での治療を断られた家族からは「最大限の努力をしてほしい」という要望を聞くことも珍しくない。折口さんは「納得して頂けるということはできないかもしれないけれど、なるべく理解して頂くことに専念しています」と話します。また、医療崩壊を防ぐためには、患者側の意識も重要で、「普段通り対応してたら医療崩壊してしまうのは見えているので、患者さんたちに対しても、どういった段階で病院に来てもらうかの対応が重要になってくる」と話しました。

■北海道の医師が直面した現実

日本で最初に感染が拡大した北海道でも、医師の予想を超えた事態が起きていました。北海道最大規模の感染症指定医療機関・市立札幌病院でも専用の病床は8床しかなく、すぐにベッドが埋まってしまいました。そこで、集中治療室や他の病棟ワンフロアを新型コロナ専用にして対応したといいます。市立札幌病院の向井正也院長は「実は最初のころ、重傷者も含めて、感染症病棟で全部診られると思っていた。患者もこんなに増えないだろうと」と話します。さらに、患者数の急増だけでなく、高齢者の方だと一晩で悪くなる人もいるなど、容体の急変にも悩まされたといいます。この病院では、これまでに31人が治療を受け、今も10人が入院しています。

■専門家が解説「重症者をあふれさせない」

感染症対策が専門の順天堂大学・堀賢教授は「数字上はひっ迫しているように見えるが、中等症・軽症の450人のなかには、ほぼ回復していてもウイルスが消えないため、病院に留め置かれている人がいる。こうした人たちを宿泊施設で療養してもらえるようになれば、病床数に余裕ができる」と話します。

東京都は、重症・重篤患者と中等症患者(軽症者)でレベルを5段階に分け、患者数に応じて必要な病床数を算出しています。重症・重篤患者と中等症患者(軽症者)がともにレベル5に達した時に必要な4000床を確保しようとしていて、すでに都内の『特定機能病院』15カ所に協力を求めています。

堀賢教授は「医療崩壊を起こさないために重症者をあふれさせないようにすることが大事。患者が増えてリミットに近付くと、病床が確保できず、一般診療にも影響が出て、別の意味でも医療崩壊が起きてしまう。医療崩壊を起こさないためには、皆で感染を増やさないような行動をしていくこと重要だ」と指摘します。
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